アルバム「ワールドワールドワールド」収録曲

【ASIAN KUNG-FU GENERATION/新しい世界】歌詞解釈!ロックの神髄ここにあり!の画像

新しい世界」は2008年リリースのアジカン4thアルバムワールドワールドワールド」の一番最後の曲です。

1stアルバムの「君繋ぎファイブエム」と2ndアルバムの「ソルファ」、

ともに非常にロック色の強い激しい曲が多くありました。

「ワールドワールドワールド」の前作である3rdアルバム「ファンクラブ」は比較的ミドルナンバーが多い印象でした。

このアルバムの一番最後の曲は「タイトロープ」という楽曲です。

こちらはメロウな楽曲しっとり終わるアルバムでした。

ですので3rdアルバムは少し物足りなさのようなものを感じた人もいたかもしれません。

だからこそ4thアルバムで「新しい世界」を聴いたときはなかなかの衝撃を受けたものです。

ロックの真髄ここにあり!と言わんばかりの歌詞と激しさです。

ファンは至極興奮したことでしょう。

そしてこの曲を聴いて「ロックやるぜ!」となったキッズも多いはずです。

そんな「新しい世界」の歌詞をしっかり解釈していきます!

そもそもロックンロールとは

大声で叫べばロックンロールなんだろう?

そんなクソみたいな話ならもう沢山だよ

それが何なのかなんてどうだって良いから

目の前の景色を全部塗り替えるのさ

出典: 新しい世界/作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

このような歌詞から始まります。

最初の疑問文は誰に向かって言っているのでしょうか?

おそらくは主に前作のアルバム「ファンクラブ」が出たときの批判的な声の主たちです。

実は「ファンクラブ」がリリースされた時様々な声があったのです。

何故かというと1stや2sdに比べて暗い曲が多く、激しい曲が少なかったのです。

それに対して『アジカン変わった』『求めていたものと違う』などの声がありました。

そういう批判的な人は口を揃えて「ロック」はこうだ。こうあるべきだ。

などと音楽をジャンルなどで定義付けして批評します。

でもそもそも「ロック」というのは音楽ジャンルとしてはっきりと定義できるものでもないのです。

それなのにあーだ、こーだ、などと言って批判批評してくる人がいます。

そこでボーカルの後藤さんはそんな話は『クソ』だと言っています。

ロックだ/ロックじゃない論争 フジロックと政治についてツイートしたら、「Yahoo!ニュース」などに取り上げられて、いろいろな角度から、いろいろな言葉が飛んできている。参ったなぁとか思いつつも、種を蒔いたのは自分なので仕方がない。 [[MORE]] 俺のツイートは以下。誤字もあるけれど、原文のママ。 “フジロックに政治を持ち込むなって、フジロックのこと知らない人が言ってるよね。これまでいくつものNG...

ちなみにこちらのリンクは2016年にTwitterで炎上した内容について後藤さんがブログまとめています。

これを読めば後藤さんが『クソ』と言った意味がさらにわかるのではないでしょうか。

ちなみに筆者があえて「ロック」を定義するならば、

それは音楽ジャンルではなく精神論としての定義になると思います。

「ロックの精神」からきているものは全て「ロック」と呼んでいいと思っています。

それは音楽であろうと、ファッションであろうと、アートであろうとです。

では「ロックの精神」とは?

という話にもなってきそうですが、それは皆さんそれぞれの中に答えがあると言っておきましょう。

この見解はあくまで筆者個人的な考えですのであしからずお願いします。

とにかくそんな答えがはっきり出ない論争はどうでもいいから、

目の前の景色を塗り替えるのさと叫びます。

バンドマンならではの表現

ギターを全く触ったことがない、という人は少しわかりづらい表現がでてきます。

わからない方の為に詳しめに解説したいと思います。

一番目のBメロ

退屈な夜はAのコードを
三角形で掻きむしれば
指先
開放ニ弦の刹那と想像力で世界が変わる

出典: 新しい世界/作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

『Aのコード』とはギターのコードのことです。

メジャーコードで色々な曲によく使われるコードです。

『三角形』とはトライアングルの型ギターのピックのことです。

おにぎり型の形をしており、主にアコースティックギターに使用します。

そして『解放二弦』とは『Aのコード』の二弦をはなした状態のコードのことです。

すなわち『Aadd9』という名前のコードになります。読み方は『エーアドナイン』です。

こちらのコードはアコースティックで演奏される曲に使用されることが多いです。

『A』も『Aadd9』も初心者でも押さえやすいコードで、コードチェンジも二弦を解放するだけで簡単。

でもそのコードチェンジをするだけで音色に透明感が出て、高揚していく運びのコード進行になります。

『刹那』とは1秒以下の短い時間のことを指します。

初心者でも弾ける簡単なコードと『想像力』さえあれば世界は一瞬で変わるのだと言っています。

ここが音楽の素晴らしいところでもありますよね。

二番目のBメロ

憂鬱な君はEのコードを

流線型で弾き千切れば

踏み込め 電源

増幅の回路と想像力で世界が変わる

出典: 新しい世界/作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

ここででてくるコードは『E』です。

Eのコードも非常に押さえやすいコードで誰でも弾けます。

音色は低音が混ざっていて少しアンニュイな雰囲気があると筆者は感じます。

なのでここででてくる『君』『憂鬱』と表現されているのでしょう。

『流線型』というのはティアドロップ型のギターピックのことを表しています。

一方だけが尖っているピックで、こちらはエレキギターに使用されることがほとんどです。

『踏み込め 電源』というのはエフェクターのことです。

エレキギターに繋いで音質を変える機械のことですね。

『増幅の回路』となっていますのでエフェクターの中でもディストーションやオーバードライブなどの

歪み系のエフェクターということになります。

これにより一気にギターの音色が変わります。

筆者も初めてエフェクターを使用した時、世界が変わる感覚がしたのを覚えています。