さすらいの さすらいの 酒を飲む
こぼれ灯の こぼれ灯の 酒のやど
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也
サビです。
女性は西の方から流れてきて、縁あってこのお店で働いています。
男性もどこからかやってきた客。
目的もなく、ふらりとはいったお店なのでしょう。
人生への希望や目標を見失った2人がたまたま出逢ってしまったお店。
お互いに似ている空気を感じながら、お酒を飲んでいます。
美味しくて飲んでいるのではありません。
どうしようもないやるせなさ、飲まずにはいられない気持ち。
そして、似た人に出逢った嬉しさ。
分かり合えるかもしれないという予感。
行き場のない2人
硝子戸ゆすって 雪が舞う
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也
硝子戸がガタガタと音を立てるほど風が強い夜です。
酒場のあかりは暖かいけれど、外に出れば強い風。
そして、雪も降っています。
この雪も長く降りそうな予感。
積もってどこにも行けなくなり、店に閉じ込められてしまうでしょう。
風の音だけが聞こえる店の中は、しんしんと寒くなってきます。
一方、2人の気持ちはどうでしょうか。
どこにも行き場がないのは、風と雪のせいだけではない2人の人生。
この後、どうなるのでしょうか?
女の過去が語られる2番
おんなは数えて はたちと幾つ
男につくした 指を折る
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也
翳がある女性と言われると、若くても30台後半?と思っていました。
なんと!女性は20台前半です。
20台前半で行き場がなく、酒場で働いている…。
これはかなりの壮絶人生を想像させます。
女性は、どれだけの男に尽くしてきたかを話して聞かせます。
指を使って数えないといけないほどの人数の男性と、不幸な恋愛を重ねてきました。
恋人いない歴イコール年齢という人も多い20台前半にしてこの過酷な体験。
翳があると表現されたのもうなずけます。
遠のむかしに わかれた女(やつ)を
想い出させる そのしぐさ
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也
昔付き合っていた恋人たち、尽くして恐らくは振られたであろうエピソード。
そんな過去の恋バナをする女性が、昔付き合っていた恋人とそっくりだと男は驚いています。
「そういえば、あの恋人もこんな風に話していたな」
懐かしいと思う男性。
その恋人との関係は悪いものではなかったのでしょう。
憎しみあって別れたなら、似ているから嫌いと思うはず。
似ている女性にまた会えた嬉しさ。恋の始まりを予感させます。
汽笛はなんの合図?
さすらいの さすらいの 酒を飲む
こぼれ灯の こぼれ灯の 酒のやど
泣くなよ しみるぜ あの汽笛
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也
2番のサビです。
お互いになんとなく惹かれ合うものを感じています。
昔の恋人の話をしながら、思わず涙ぐんでしまう女性を慰める男性。
優しい言葉に思わずホロリとする女性。
そんな2人の耳に、遠くから汽笛の音が聞こえてきます。
汽笛というと古めかしく感じますが、ここで言いたいのは汽笛は最終列車の合図だということ。
2人は引き返せないところまできてしまいました。
そして2人は行き着く先へ
先に行動に出たのは
おんなは離れの 小さな部屋に
泊まって行ってと 下を向く
出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也