何があっても離れない
どこまでも穏やかな色彩に彩られた
一つの風景画の中寄り添うように
時を止めて欲しい永遠に
出典: 瞳の住人/作詞:hyde 作曲:tetsu
不動のものになりたいという願いがひしひしと伝わってきますね。
さらにここのフレーズは、鮮やかさが特徴的。
これまであまり色彩表現はありませんでしたが、ここではたくさんの色を想像することができます。
2行目の「風景画」という言葉から推測すると、鮮やかな色彩はきっと君の周りを取り囲んでいるのでしょう。
つまりこの世界で生き続ける君の周りにはいつも色彩=希望が溢れていることの表れです。
一緒にいられないことはわかっているけれど、せめて君の記憶の中にはいたい。
そう願う主人公は不動のもの=太陽のように、遠くから君を見守り続けるでしょう。
移ろう自然に宿り続けたい
いつの日か鮮やかな季節へと連れ出せたら
雪のように空に咲く花の元へ・・
花の元へ・・・
出典: 瞳の住人/作詞:hyde 作曲:tetsu
「鮮やかな季節」=春、としたら、冬では雪だった自分は春の花に移る、ということでしょうか。
どんな季節も自然に身を宿しあなたの傍にずっといたい、そんなようなことが推測できます。
太陽のようになりたい、不動のものになりたいと主人公が願っていたことともリンクするフレーズですね。
「瞳の住人」とは何なのか
「瞳の住人」は、つまりは恋人or元恋人の瞳に映る自分の姿、という認識で良いでしょう。
もし主人公が亡くなっている設定であれば、「君」には実際には見えないにしても、霊としての自分から見れば自分の姿は「君」の瞳に映りこむことができます。
この解釈をもう少しリスナーの立場に近づけるとすれば、距離的には離れていて実際に会うことはかなわない相手に自分の存在を認識してもらいたい、という解釈もできるでしょう。
分かりやすいのはネットですね。
地球の裏側にいる人のことも、SNSやブログ、もしくは著名人であればニュースや宣伝、創作活動のシェアなどで知ることができます。ネットであれば相手の瞳に映りこむことができます。
これは相手への無言の自己顕示として効用がありますし、使いようによっては「相手に見られている」というプライドやモチベーションを高めることができ行動量を増やすこともできます。
hydeさんの渾身のバラードをあまり実用的にいじくるのも品がないかもしれませんが、よりリアリティを求めるのであれば以上のような解釈も可能ということです。
「瞳の住人」まとめ
以上、L'Arc~en~Cielの「瞳の住人」の歌詞解釈をご覧いただきました。
小説の心理描写のようにあらゆる想像ができ、ロングランでじっくり聴くことができる楽曲だと思います。
「輪廻転生」「万物流転」のような言葉で表されるように、私たちや私たちを取り囲む環境はすべて時間の経過とともに変化していきます。
その中で変わらず存在し続けるものに価値が置かれるのは自然なこと。
それゆえ「後世に残るもの」「時代を超えて愛されるもの」こそが偉大であるという意見もあります。
恋愛でも仕事でも、なにか不動のものや残るもの、拠り所となるものを持っておいたほうがよりよい生を全うすることができます。
そして自分が誰かの「瞳の住人」になり続けましょう。誰かの拠り所に、誰かを見守る不動のものになりましょう。
この楽曲自体が聴かれることがなくなる日はなかなか来ないでしょうが、流転する世界の中でいつまでも残っていてほしいですね。
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