英語版が最初?
ゴダイゴの曲は先に英語の歌詞で作り、後から日本語詞をつけるそうです。
なので、オリジナルは英語で歌われたものということになります。
「銀河鉄道999」にも英語版が存在します。
1979年にリリースされたライブアルバム『MAGIC CAPSULE(マジック・カプセル)』に収録されています。
その他、ベスト盤にも収録されていますのでぜひ日本語版と聞き比べてみてください。
カバーバージョン
「銀河鉄道999」はキャッチーな曲調や前向きな歌詞で、幅広い層にアピールする曲です。
世代を問わず人気がある曲なので、多くのアーティストによってカバーされています。
最近で最も有名なのはやはりEXILEによるカバーでしょう。
若い人はこのバージョンでこの曲を知ったという人が多いのではないでしょうか。
オリジナルとはずいぶん違いますが、曲の持つ魅力は通じていると思います。
日本語版の歌詞
希望にあふれる歌詞
それではまず日本語版の「銀河鉄道999」の歌詞を見ていきましょう。
「銀河鉄道999」のオリジナルである英語版の歌詞を書いたのは奈良橋陽子です。
日本語版は山川啓介によるものです。
英語版の直訳ではない、素晴らしい歌詞になっていると思います。
さあ行くんだ その顔を上げて
新しい風に心を洗おう
古い夢は 置いて行くがいい
ふたたび始まる ドラマのために
あの人はもう 思い出だけど
君を遠くで 見つめてる
出典: 銀河鉄道999/作詞:奈良橋陽子、山川啓介 作曲:タケカワユキヒデ
漫画版、アニメ版、映画版と「銀河鉄道999」にはいろいろなバージョンがあります。
そこに通じるのは少年の成長物語という点でしょう。
嬉しいことや楽しいことだけではなく、様々な経験をして人間は成長していくものだと思います。
夢が破れて挫折することもあるでしょう。
しかし、またそこに新しい風が吹いてくるのです。
最後の2行には鉄郎とメーテルの関係を思わせる部分もあります。
子供の頃、あるいは若い時に憧れた人がいる方も多いでしょう。
そうした人への想いがはかなく散ってしまうこともあると思います。
同じような経験を持つ多くの人の共感を呼ぶ、普遍的な歌詞になっているのではないかと思います。
The Galaxy Express 999
Will take you on a journey
A never-ending journey
A journey to the stars
出典: 銀河鉄道999/作詞:奈良橋陽子、山川啓介 作曲:タケカワユキヒデ
サビの歌詞が全て英語というのは日本のポップスではとても珍しいものでした。
当時小学生だった自分は意味も分からずに耳コピして歌っていた記憶があります。
タケカワユキヒデのボーカルは英語の発音がとても良いので、洋楽と間違えてしまうほどでした。
「銀河鉄道999は君を旅に連れて行くよ」
「永遠に終わらない、宇宙への旅へ」
意味としてはこんな感じだと思います。
そうさ君は 気づいてしまった
やすらぎよりも 素晴らしいものに
地平線に 消える瞳には
いつしかまぶしい 男の光
あの人の目が うなづいていたよ
別れも 愛のひとつだと
出典: 銀河鉄道999/作詞:奈良橋陽子、山川啓介 作曲:タケカワユキヒデ
2番の歌詞も前向きに人生を生きようとする若者の姿を歌っています。
「やすらぎよりも素晴らしいもの」とは何でしょう。
リスクを恐れずに挑戦、冒険する意志のようなものでしょうか。
映画の主題歌なので、この曲の歌詞は星野鉄郎という主人公の姿を反映しています。
しかし内容そのものは誰にでも通じるものなので、聞いた人が自分の物語として受け取れると思います。
そこから切り離しても優れたポップスとして成立しているので、時代を超えて愛されるのではないでしょうか。