aikoの「ハニーメモリー」に込められた思いとは
40thとなるシングル「ハニーメモリー」
「ハニーメモリー」は、2020年10月21日、aikoの40枚目となるシングルです。
初回限定版のジャケット写真は、静かな夜に切ない表情で肘をつく悲しい表情のaiko
通常仕様版では、穏やかな光の中での物憂げな表情のaiko
どちらも哀愁あるジャケット写真で楽曲の方向性を匂わせています。
このハニーメモリーの曲調は、aikoブランドといわれる彼女らしさ満載の楽曲です。
軽やかで切ない独特のメロディライン
深みがあり叙情的歌詞が魅力的です。
ジャズ的なオシャレ感と切ないコード
そしてaikoの甘く優しい独特の声質
ちょうど良い塩梅です
「ハニーメモリー」の主人公は傷心の彼
「ハニーメモリー」の歌詞に登場する主人公は、恋の終わりに別れた彼女に未練を感じている男性です。
しかも自分の行動や甘さが、彼女との別れへつながったことを後悔します。
彼女への未練を感じている切ない気持ちです。
あえて「ハニーメモリー」にしたと
明らかにしています。
ハチミツは甘いだけではない
その甘味には独特のクセや苦味があります。
甘味だけではない、苦味や痛み
これを表現するために「ハニー」という表現を使ったというのです。
苦さやクセにも未練を感じている
そんな彼の心を表現したのです。
「ハニーメモリー」の歌詞に込められた意味とは
「ハニーメモリー」に登場する思い出されることは、行動だけでなく言葉も含め
別れた今、彼の心をえぐるような切ないものばかりです。
そんな切ない「ハニーメモリー」の歌詞ですが、聴き手によって歌詞から受ける印象も違うようです。
そこで「ハニーメモリー」に登場する、特に印象的なフレーズの意味について考察してみることにします。
「洗面所だけ電気がついている」その理由は何故?
彼を待つ「私」をアピール?
いつも悪いなって思ってたよ
夜明け前に帰ると洗面所だけ電気が付いてた
ごめんねでも素直になれなかった
出典: https://www.oricon.co.jp/prof/27083/lyrics/I257236/
考察する最初の歌詞は、冒頭から2フレーズ目の歌詞です。
登場する主人公である彼は、彼女が部屋の中の一部だけ明かりをつけたままにしてる
その意味を分かっていたのでしょう。
つまり、彼女が何かの意図で洗面所の明かりを付けていた
この行動に意味があることを理解しているのです。
これこそ「ハニーメモリー」の冒頭の印象付けにもなるフレーズ
彼女の意図は、夜明け前に帰る彼に「私がいる」というアピールだったのでしょう。
彼女は彼を待っている中にいます。
遅くまで楽しんでいる彼
そこに「貴方を待っている私」の存在をアピールしているのです。
洗面所の電気をつけたままにして、帰ってきた彼は明かりを見るはず
そして、私に気づいてくれるはず
あえて気づいてほしい願望が、洗面所だけ明かりをつける行動に至ったことを匂わせています。
そして、彼も何となくそれを気づいていたのでしょう。
違う花を食べた彼だからこそ
繰り返してきた春に僕はいつの日からか
隣にいる君じゃなく違う花食べた
出典: https://www.oricon.co.jp/prof/27083/lyrics/I257236/
このアピール説は、その後に続く部分にもつながります。
違う花というのは、隣にいる彼女ではない別の女性との浮気を指しています。
明かりをつけたままの彼女は、「彼が別の花を食べてしまうのではないか」と思っていたのでしょう。
そうなる不安を感じていたからこそ、洗面所だけ電気をつけておくという行動を続けていたともいえます。
つまり浮気の可能性に不安を抱えた彼女の最後の抵抗といえる存在のアピールといえるのです。
そして浮気した彼に、その浮気に気づきつつも、何も言えなかったということが表現されています。
「ハニーメモリー」を聴いた方の多くは、このフレーズにこんな印象を持つ場合が多いようです。
ただ、こうした捉え方以外にも、この歌詞には違う印象への影響説というのも考えられます。