浮気したであろう彼を待つ彼女の行動についてです。

「洗面所だけ」の明かりは、実際の表現以外にもう一つの説である可能性もあります。

それは、彼と彼女の心を表現したということです。

家の中で、洗面所だけ電気がついているということは、その家全体が明るいのではありません。

洗面所を含めた一角が暗がりの中ほのかに明るい

そこだけが辛うじて、周囲の様子を理解できる程度に明るい状態です。

これは、この「ハニーメモリー」という曲の全体のイメージを表現したものではないかということ

この恋の終わりを暗示する現象と表現したものではないかという説です。

二人の恋の行方は、もう一角にしか明かりがない程に終わりを迎えていた

それを表現したのではないでしょうか。

これはあくまでも抽象的な表現を表したもので、一般的にはアピール説が有力です。

こうした心表現は、曲のイメージを印象付けるエッセンスと考えるのが良いでしょう。

味がしないという歌詞に込められた真意

 失恋すると本当に「味がしない」?

人間はとても繊細な動物です。

心と体のバランスが整っていないと色んな不調をきたすことがあります。

例えば悲しい出来事があったとき

特に失恋などで心が傷ついたとき

食欲が出ない場合も不調を感じます。

人間は繊細であるが故、他の動物に比べ五感が鋭いうえに、感情に振り回されやすい面もあります。

それ故、感情が五感に影響を及ぼすことも多いのです。

失恋で心が沈んだことで「味を感じない」と感じることも起きます。

ただ、それは心が沈んでいることが影響しているためで、味覚に障害が起きているということではありません。

 「ハニーメモリー」の彼は未練の影響で味がしない

この「ハニーメモリー」の中でも、彼の心情が大きく表れている部分があります。

「味がしない」を考察すれば、それは沢山泣いて未練が落ちないほど、後悔の中に沈んでいる

そんな彼の心模様が現れています。

君がいないと味がしない、君がいないと心が動かなくて、味を感じられない

それほど心が落ち込んでいることを表現しているといえます。

しかし、例えばここで、彼女の心が自分に戻るなら味がするのかといえば、それも違うこと。

この彼女との別れは、味覚すらも感じないほど心囚われる悲しい出来事ということの表現でしょう。

自分は浮気もして、彼女との関係は崩壊してしまったのに、自分は味がしない

そんなふうに感じるほど、そばにいて欲しいと思っていのです。

それほどこの恋が自分に大切だったことを彼自身が実感した

その象徴として「味がしないだ」という表現になっているのではないでしょうか。

aikoのメロディラインは、特徴的だからこそ

aikoブランドともいえる個性が光る

aiko【ハニーメモリー】歌詞の意味を考察!洗面所だけ電気が付いてる理由は?味がしない真意を読み解くの画像

有名アーティストユーミンの夫松任谷正隆さんが、初購入した邦楽CDはaikoの「カブトムシ」とのこと

aiko楽曲は、こうした多くの有名アーティストにも注目されています。

とくにメロディラインや曲調にはaikoらしい特徴があります。

通常、ポップスの楽曲では長調がよく使われることが多いのです。

そしてこの長調の特徴は、落ち着きがあり心地よい音程とテンポで誰にも聞きやすさを感じさせます。

その長調に少し変化を加えつつ、心地よさを外さないところにaikoらしさがあるのです。

敢えて長調に変音などの崩した音を加えて個性を与えています。

これこそaikoブランドといえる個性的なメロディラインで唯一無二の素敵な印象を与えてくれます。

aikoが放つ魅力的なコードにはどんな秘密が

aikoの放つメロディラインの秘密を調べてみましょう。

これまで注目された作品には、マイナーコードに六度のメジャーを多用したものが多く目立ちます。

この楽曲の印象としては、ただ落ち着きがあるだけでなく、耳馴染みが良い中に独特の抑揚があります。

松任谷正隆氏も購入したという「カブトムシ」のサビは、こうした特徴が顕著です。

またメロディラインも、メジャーコードとジャズなどでよく用いられるツーファイブワンを使っています。

オシャレな音に感じられる技法が多く使われているのです。

これによって、聴き馴染みがあるのだけれど、新鮮さも併せ持つといったaiko特有の楽曲が生まれています。

これは、多くの音楽ジャーナリストも評価しているaikoならではの魅力です。

楽曲「ハニーメモリー」の曲調とは

軽やかに切なさを奏でるメロディライン

ハニーメモリーは、冒頭はジャズのように速いリズムで表現されています。

それは彼女に対する未練が押し寄せている彼の心模様

そして次いでくるのは、ゆるやかな叙情的流れに至るaikoらしい楽曲です。

押し寄せるように流れ、それでいて軽やかに、例えるならば切ないそよ風のような曲調です。

加えて吹き抜けていくメロディラインに小気味よくからむaikoの独特の甘く優しい歌声が印象的です。

ただ美しいだけではありません。

優しさと痛みを同時に味わえる曲調となっているのは、単にメロディラインのみではないのです。

その甘く切ないaikoの声によるところもあるといえましょう。

aikoこだわりの切ない感情表現