歩道橋の上で二人
夜の街を眺めながら
そっと手を握って
今を生きる僕らには
これ以上の愛し方を
見つけられなかった
どうすれば
どうすればよかったのかな
出典: 「言えない」/作詞:HAND DRIP 作曲:HAND DRIP
2人の間に何となく生じていたわだかまりは、とうとう見過ごせないほど深刻なものになったのでしょう。
こちらで紹介する歌詞では、関係が終わると想像できる場面が展開されています。
もうどうしようもならなくなってしまった今、彼は誰にというわけでなく尋ねるのです。
好き合っていれば言葉はいらないと思っていた
先にご紹介したパートでも触れましたが、「僕」が望んでいたのは、ありふれた毎日だったのだと思います。
特別感はなくても、ただ寄り添っていられれば幸せだと感じていたのでしょう。
引用歌詞の1~3行目にあるように、その時間には言葉もいりません。
しかしそれはもしかすると、「僕」の独りよがりな思いだったのかもしれません。
「君」はひょっとすると、もっと具体的な言葉がほしかったのではないでしょうか。
端的にいえば、「好きだよ」や「愛してる」というような、ベタな愛の言葉です。
それをさらりと言える男性は、残念ながらそんなに多くはないと思います。
男性は言葉で愛情を示すより、行動で表す人が多いと思われます。
そして「僕」もまた、そういう男性の1人だったのでしょう。
彼は彼で、行動で彼女に気持ちを伝えていたとは思います。
しかし、相手がそれを意図したままに受け取ってくれる保証はないのです。
好き合っていれば言葉なんていらないというのは理想ですが、同時に妄想であるともいえないでしょうか。
やはり、どんな親しい関係にも、相手を想うことを示す言葉は必要なのでしょう。
それが「僕らの愛し方」だった
「草食系男子」といった言葉が、世の中で囁かれた時もありました。
ご存知の通り、恋愛に積極的になれない男性を指す言葉です。
もしかしたら「僕」には、そういう部分があったのかもしれません。
彼女のことはもちろん好きだし、大切にしたいと思っていたはずです。
ただ、どうしても、積極的になれなかった可能性もあります。
草食系どころか恋愛に興味すらない「絶食系」もいるといいますから、それよりはましだと思いますが。
引用歌詞4行目から察するに、「僕」がそういったタイプだという可能性は捨てきれません。
ガツガツいくより相手に任せたり、まったりと過ごすことに重きを置いていたとも考えられます。
いくじなしと切り捨てるのは容易ですが、それもまた、時代に合ったスタイルなのかもしれません。
愛の言葉も囁けず、「僕」は自分なりのそういうやり方でしか彼女を大切にできなかったのです。
引用歌詞7行目と8行目で、彼はどうすべきだったのかと問うています。
それは答えをくれそうな相手に対してだったかもしれませんし、「君」に対してだったかもしれません。
返される答えは、きっとありません。
あったところでもうどうしようもないのだと、「僕」自身も分かっていたのではないでしょうか。
【「言えない」】で終わらせちゃいけない関係もきっとある
冒頭と同じ歌詞のサビを繰り返して、HAND DRIPの【「言えない」】は終わります。
既に聴いたのと同じ歌詞ですが、「僕」と「君」の経緯を知った後では、感じ方は変わってきますね。
「僕」が彼女に対して言いたくても言えなかったこととはおそらく、好きという気持ちではないでしょうか。
心にずっとあったその単純な気持ちを最後まで伝えられず、結果として「君」がいなくなってしまうのです。
一歩前に出ることができなかったために、「僕」は幸せを逃すことになってしまいました。
それを笑うことは簡単ですが、そういう人は多いと思います。
それほどまでに、恋愛において踏み出す一歩というのは重く、勇気のいるものなのでしょう。
しかし、それを怠ったがために失うものもあるのだということを、この曲が教えてくれているような気がします。
HAND DRIPの【「言えない」】は、切ないラブソングでした。
苦しい恋をしている人は、大いに共感できる部分もあったのではないでしょうか。
切なく共感できるラブソングに関する、OTOKAKEで人気の記事をご紹介しておきましょう。
UVERworldの【THEOVER】では、愛する人を幸せにできているか苦悩する男性の姿が歌われています。
同じように悩む人には、きっと刺さる1曲だと思います。
女性が共感できるラブソングなら、加藤ミリヤの【Aitai】がおすすめです。
片思いに悩む女性の切ない心情を、リアルに歌い上げた1曲です。
どちらもよくあるシチュエーションなので、共感できること間違いなしでしょう。
UVERworldの共感する歌詞に涙が止まらない【crewによる厳選】 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
名曲が多いといわれるUVERworldのたくさんの楽曲の中から特に特に特にファンからの人気が高い曲&筆者の独断と偏見で選んだ共感できる名曲を10曲まとめました。 永久保存版です!!
なぜこんなに共感する!?加藤ミリヤの切ない歌詞の意味を紐解く - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
長いキャリアと共に、特に十代~二十代の女の子のカリスマとして高い人気を誇る加藤ミリヤ。 印象的なメロディと共に、胸をきゅんとさせるような切ない歌詞には多くの人が共感するはずです。 加藤ミリヤの曲の中から10曲を選び、奥深い歌詞の裏に込められた思いを解釈してみます。
無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!
今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね