SHANKの楽曲でイチバン再生回数が多い代表曲
長崎出身の3ピースメロコアバンド・SHANKが2012年5月にリリースしたアルバム「Calling」。
その2曲目に収録されているのが「Good Night Darling」です。
おしゃれなファンク調のリズムとクリーントーンのギターからスタートするこの曲。
メロコアバンド”らしくない”雰囲気ですが、8発の「きめ」から一気に豹変。
爆音のツービートで、パンクロックリスナーの心をわしづかみにします。
リリース直後からファンの間で急速に人気が高まったこの曲。
今ではライブの定番曲として、SHANKのファンだけではなく、メロコアファンみんなから愛されています。
ちなみにYouTubeで「SHANK」と検索したとき、イチバン上に出てくるのは「Good Night Darling」のMVです。
SHANKにとってもファンにとっても大事にされているこの曲のメッセージとは何なのでしょう。
ボーカル・庵原将平いわく「メッセージなど求めていない」
歌詞に意味なんて求めない
先に言っておきます。
作詞を担当するベースボーカルの庵原将平いわく「曲にメッセージは求めていない」と。
基本的な方針としては「ただでかい音で楽しむ」ということをバンド全体のコンセプトにしているようです。
パンクバンドですからね。
歌詞に意味をもたせるよりも、会場をどれだけ熱くできるかということに着目しているのでしょう。
しかし歌詞カードにある言葉は、紛れもなく彼自身の頭から出てきたもの。
意識のあるなしに関わらず「言葉」にはその人の人生や哲学のようなものが表れます。
「メッセージはない」と言っていても、歌詞には彼の世界観があるはず……。
ということで無理矢理ではありますが、内容を解説していきましょう!
SHANK「Good Night Darling」の歌詞の世界感を徹底解説
いきなり抽象的な情景描写が並ぶAメロ部分
I'm just talking to myself on a sleepless night
Well, three years have passed and I got a clear answer
It may not be dramatic but you will love it
Everything is fine, everything is wrong
出典: Good Night Darling/作詞:庵原将平 作曲:SHANK
”眠れない夜、俺はひたすら自問自答している。
ところで、3年が経って鮮明な答えを手に入れたんだ。
それはドラマチックなモノではないけれど、あなたはきっと気に入ってくれるだろう。
すべては正しいし、すべては誤っているんだ。”
直訳するとこうなりなります。
文脈を読んだ場合、自問自答してい「た」のほうが合いますね。
決して派手な答えではないが、何か方向性が見つかったのでしょう。
「すべては正しいし、すべては誤っている」。
長く悩んだからこそたどり着いた「真理」ともいえる境地です。
価値観は人それぞれ違います。
だから悩んだ先に、明確な「正解」はないのかもしれません。
その答えが見つかったといって、今後の行動や目標が変わるわけではありません。
そういった意味で、決して劇的ではない。
しかし、その結論は3年間の悩みに対する”ひとつの答え”ではあるのです。
バンドの方向を物語るBメロ部分
「俺を解放しろ」。メロコアバンドならではの叫び
So make it loud
Sing a song with such a studied music
Lie in the back seat
How are you feeling tonight?
It's all up to you (up to me)
Set me free (set me free)
You know there's a smile and a cry
出典: Good Night Darling/作詞:庵原将平 作曲:SHANK
”だから大声で騒げ
わかりやすい音楽とともに歌え
後部座席に横たわっているあなたは、今夜何を思う?
全てはあなたしだい(自分しだい)
俺を解放しろ
あなたは、微笑みと叫びがあることを知っている”
Aメロで「正誤などない」と答えを見つけた語り手は、Bメロで”爆発”します。
正解など無いならと、吹っ切れて「大声で騒げ」と鼓舞し始めるのです。
わかりやすい音楽。
これは、SHANKの曲のことを言っているのでしょう。
確かにパンクやメロコアの音楽は難しいフレーズなどを省いているのが特徴。
たとえばラモーンズやセックスピストルズ、クラッシュなどもそうですよね。
シンプルで分かりやすいオケで、客の心をがっちりと掴んでいるでしょう。
そのうえで”あなた”に「歌え」「騒げ」と呼び掛けています。
その結果「俺を解放しろ」と。
つまりこれは「でかい音で楽しむ」ということ。
先述した通り、SHANKが目指す「バンドとしてのコンセプト」です。
ところで、メロでも出てくる「あなた」というフレーズ。
これはいったい誰のことを指しているのでしょう。