名曲?迷曲?『ギミチョコ』
デジタル音から始まり、その後にGimme Chocolate!!のコーラス。そして、怒涛の演奏へと流れていくBABY METALの代表曲『ギミチョコ!!』は、
2014年に発売された1stアルバム「BABY METAL」内の曲です。
初出は2013年のLEGEND“1997” SU-METAL聖誕祭であり、初オンエアーは「ゴールデンボンバー鬼龍院翔のオールナイトニッポン」。
イギリスでは配信シングルとしてリリースされ、既に知名度のあった彼女達をさらに人気グループへと押し上げる成果をもたらしました。
曲調としてはスラッシュメタルになるのですが、途中幾度かグラウル(デスボイス※日本限定表記)が入るので、デスメタルとする人もいるようです。
作曲したのはTAKESHI UEDA
非常に評価の高い『ギミチョコ!!』ですが、まず評価されるのが曲の構成です。
ただのスラッシュメタルではなく、メインとなる部分はJ-POP的な非常に聞きやすいメロディが採用されており、ただ激しいだけではなく不思議な中毒性があります。
そこで、その中毒性の原因を調べてみると、作曲家を見て納得しました。
この曲を作ったのは日本のラウドシーンを作り上げ、世界中で評価を受けた伝説のバンド「THE MAD CAPSULE MARKETS」のTAKESHI UEDAなんです。
素晴らしい曲と中毒になるメロディは正に世界基準といっていいでしょう。
海外評論家を唸らせる
BABY METALは偽物、ただのアイドル、女の子のやらされてる感が凄いと、国内評論家達から受けの悪い彼女達ですが、
海外の評論家達からは評価されており、『ギミチョコ!!』も例外ではありません。
アメリカの著名な評論家であるブライアン・マンスフィールドは、日刊紙「USA Today」にて、とても癖になると評価し、
同国のTV局Fuse運営のサイト「FM」では、その不思議な中毒性を、皮肉めいた口調ながら高く評価し、史上最も実験的なガールズバンドの曲9曲に選びました。
歌詞がぶっ飛んでいる
『ギミチョコ!!』は全てにおいて素晴らしい完成度を誇る楽曲です。なので、曲だけではなく歌詞だって凄いものがあります。
内容は作詞家曰く「チョコレートが食べたいのを我慢できない女の子」の歌らしく、大量のオノマトペとセリフのようなそうじゃないような歌詞、そして単語がメインで構成されており、
初めて聞いた時は間違いなく意味がわかりません。
しかし、しっかりと聞き込んでみると、見事にチョコレートが食べたい感情が表現されており、なるほど!と納得できる歌詞になっています。
『ギミチョコ!!』冒頭部分
あたたたたた ずっきゅん! わたたたたた どっきゅん! ずきゅん!どきゅん!ずきゅん!どきゅん!
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140326-003
本当に意味がわからない歌詞なのですが、このオノマトペはあくまで演奏の一部です。
サビ部分
チョコレート チョコレート チョ!チョ!チョ!いいかな? でもね ちょっとWeight ちょっと最近 心配なんです だけど チョコレート チョコレート チョ!チョ!チョ!いいかな?
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140326-003
この歌詞はとても分かりやすいですよね。チョコレートを食べたいという気持ちをストレートに伝えています。
曲の構成の複雑さ
それでは『ギミチョコ!!』の構成について少し踏み込んでみましょう。
まず、冒頭の演奏部分は怒涛のギターリフと重いベースライン、激しいドラミングとなっており、まさに王道のスラッシュメタル感満載です。
しかし、そのままメタルで終わらずに、EDMを挟んで、勢いそのまま歌に入り、サビになると急に転調してJ-POP路線へと変わります。
海外のデスメタルバンドでは、ピアノからのメタル転調が多く採用されているのですが、ここまで複雑な構成は中々見られず、
さすが世界のTAKESHI UEDAです。