『或る街の群青』とは
9枚目のシングル
『或る街の群青』は、2006年11月29日リリースの9枚目のシングルです。
曲の最初と最後に、歌舞伎町で録音したとされる音が流れます。
これは街から曲が流れて、街の中に消えていくことをイメージしているといいます。
カップリング曲には、一発撮りでレコーディングされたという「鵠沼サーフ」が収録されています。
いずれの楽曲もVo&Gtを担当している後藤正文さんが作詞・作曲をおこなっています。
初回限定盤のジャケットは、漫画家:松本大洋さんの書き下ろしとなっています。
こちらは「鉄コン筋クリート」のワイドキャップステッカー仕様となっています。
根強いファンの多い松本大洋さんなので、なかなかレアなジャケットとなっています!
通常盤と併せて、チェックしてみて下さい!
収録アルバム情報
『或る街の群青』は、2008年3月5日リリースの4枚目のアルバム「ワールド ワールド ワールド」に収録されました。
このアルバムは、オリコンチャート1位・ビルボードジャパン1位を獲得しています。
収録曲には、アニメ「BLEACH」のオープニングに起用された「アフターダーク」や「転がる岩、君に朝が降る」などが収録されています。
全曲13曲から編成されており『或る街の群青』は12曲目に収録されています。
アルバムのジャケットには、同時多発テロで攻撃を受けた「ワールド・トレード・センター」らしき絵が描かれていて注目を集めました。
平和を願う思いがこのアルバムには込められているのかもしれませんね。
映画「鉄コン筋クリート」主題歌
『或る街の群青』は、2006年12月に公開された「映画 鉄コン筋クリート」の主題歌に起用されています。
「鉄コン筋クリート」は、ビックコミックスピリッツで連載されていた原作:松本大洋さんの漫画です。
宝街という場所を舞台に、そこに住む”ネコ”と呼ばれる「クロ」と「シロ」。
彼らは、驚異的な身体能力を持ち、街の中を飛び回っていました。
そんな彼らに立ちはだかる3人の殺し屋、そして”子供の城プロジェクト”が街に立ち上げられることになり・・・。
・・・と、このような内容の漫画です。
声優には、嵐の二宮和也さんや女優の蒼井優さん、俳優の伊勢谷友介さん、工藤官九郎さんなど豪華なキャスティング。
他にもたくさん、有名な方たちが声優として出演されています。
また、第80回アカデミー賞長編アニメーション映画部門ノミネート候補作品12作の中にも選ばれました。
それだけでも作品の質の高さが伺える、そんな映画です。
歌詞
”宝街”の世界観
鉛色の街
ネズミ達の濁るブルー
ぼやけた鈍い鼓動
胸に残る僅かな白さよ
足りない心を満たしたくて駆け出す
出典: 或る街の群青/作詞:後藤正文 作曲:後藤正文
この歌詞では「鉄コン筋クリート」に登場する街、宝街の様子が描かれています。
寂びれた街のイメージが読み取れます。
そんな犯罪が日常茶飯事のように起きる街で、必死に生きていくクロとシロ。
「僅かな白さよ」とは、僅かに残る純粋さを表しています。
街の色に全てを飲み込まれないように、もがく彼らの心情が見えてきます。
そしてタイトルにもある「群青」の色を表している「濁るブルー」という歌詞があります。
”群青色”とは、青色のもっと濃い青色です。
紺色が近い色かもしれませんが、紺色よりは青い色です。
鮮やかではない色でも、確かにそこに存在している色なのです。
「全部怖くなって闇に落ちたよ」
嫌になって投げ出した全部
黒くなって崩れ落ちたよ
寂しくて塗りつぶした
全部怖くなって闇に落ちたよ
出典: 或る街の群青/作詞:後藤正文 作曲:後藤正文
しかしながら、置かれている現実に嫌気が差す日もあります。
楽に生きていけたら・・・そんな思いが闇へと誘います。
いけない事と知りながらも、逃げ出したくなるほどの現実が襲ってくることだってあるのです。
手を染めれば、たちまち闇が襲ってきて、もっと深いところまで引きずり落していくのです。