顔は知らないから声を聞きたい
出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ
ここで、歌手の活動の一端が垣間見えます。
歌手は覆面アーティストのようです。
平安時代を舞台にした文学などにも、似たような話があります。
顔は知らない、声の美しい女性に主人公が恋をするストーリーです。
ちょっとこの曲と似ているところがあるかもしれません。
ステージの上だけは寄り添ってたって
所詮星の数いる内の一人で
離れ離れなんてのは嫌だね
出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ
アーティストとの一体感を特に感じられるのは、やっぱりライブでしょう!
大好きな歌手と同じ空間で、同じ歌を聞き、一緒に声を出して盛り上がる。
音楽好きにとってはこの上なく幸せと言っても過言ではない時間です。
同時に、ライブは永遠に続くわけではありません。
主人公にとっては、ライブももどかしさの一因になってしまうのでしょうか。
ライブの時に感じた一体感も、一度会場を出てしまえば終わりです。
さらに、ライブ会場には歌手のファンが大勢います。
どれだけ大きな恋心を抱いていても、「大勢の中の1人」以上にはなれません。
気持ちを陳腐にしたくない
赤目で告げる思いの意味さえ
奪われたくはなかった
出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ
目を赤くする時とは、泣いていることを表すのでしょうか?
涙が出てくるほどに恋しいと聞くと、思いの深さがうかがえます。
思いを言葉にするのは簡単ですが、相手がどう受け止めるかは相手任せです。
ファンが歌手に思いを伝えても、他の人と同じだと思われるのではないか?
そんな心配を抱えているようにも思われます。
また、ちょっとした愛情でも、深い愛情でも「好き」という言葉は使えます。
的確な言葉が見つからない時、本当の気持ちを軽く受け取られてしまう可能性もあります。
主人公はそうなることを恐れているのかもしれません。
好きな人の歌が溢れる 気になる2つの説
気付けば全て君の歌だった
出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ
この簡潔な歌詞は、2つの見方ができるのではないか? と思っています。
1つずつ解説していきましょう。
説その1 主人公のプレイリストが「君の歌」でいっぱい
1つ目の考えは、主人公が「君の歌」ばかりを聴いているというものです。
自分の気持ちを表したような曲が耳に残る体験をした方もいるかもしれません。
そういう時って、その曲ばかり繰り返したくなりませんか?
あるいは、ハマったアーティストのアルバムだけを何度もループしたり。
主人公も同じように、好きな歌手の歌だけを繰り返し聴いているのかもしれません。
説その2 歌手がブレイクして曲が使われている
2つ目の説は、歌手がブレイクしたというものです。
話題になる曲は、いろいろなところで使われます。
テレビCM、お店のBGM、イベントなどなど。
そうすると主人公の耳には、行くところ行くところで歌手の歌が聞こえます。
そんな状況を一言に集約したのが、上の歌詞ではないでしょうか。