「21世紀のファーストガンダム」という「原点回帰」を目指して制作されたせいか、初期のガンダムを知らない世代も含め、あまりにも売れた『機動戦士ガンダムSEED』。
そのため、T.M.Revolutionの多くの楽曲も、この作品のさまざまなメディアミックスに使用されました。
ゲームはもちろん、プラモデル(いわゆる「ガンプラ」)のCMやアニメのスペシャルエディションなどにも含まれています。
切ない歌詞
意味深なPVにも注目
カラオケで「本人映像」を選択すると見れる機種もあるようですが、「INVOKE」のPVはとても意味深で哀しいです。
「意味がわからない」という声も聞かれますが、逆に想像力を掻き立てられるような気もします。
目が覚めると知らない部屋にいて、監視カメラで撮影されている……。
何だかよくわからない物が周囲にある……。
そして、得体の知れないコードを辿っていくと、その先に繋がっていたのは……?
そんな気になるオフィシャルのPVをご覧ください。
擦れ違い急ぐたびに ぶつけ合い散切れ合う
互いの羽根の傷み 感じている
淋しさに汚れた 腕で抱いた
それ以外の何かを 知らないから
繋がる瞬間 目醒める永遠 待ち焦がれる
出典: INVOKE/作詞:井上秋緒 作曲:浅倉大介
基本的に『機動戦士ガンダム』シリーズは、戦争を描いたアニメです。
『機動戦士ガンダムSEED』は、テーマは「非戦」とは言え、やはり初めは戦争が起こります。
主人公のキラ・ヤマトは、居住地が突如戦場になってしまい、新しい戦艦とモビルスーツ(戦闘用ロボット)を奪還しに来た敵軍に翻弄されます。
そんな中でも絶体絶命の瞬間に、未完成だったOSを書き換えてひとつの機体を起動し、敵を撃破してしまうのは、ファーストガンダムに通じるものがあります。
ところがそこでキラは、幼少の頃の親友であるアスラン・ザラと再会してしまいました。
敵軍に親友が……そうして複雑な感情のまま、少年たちは戦争に巻き込まれていくのです。
冒頭の歌詞では、そんな理不尽な戦いのせいで擦れ違い、ぶつかり合って傷付け合ってしまう心の傷みを描いているようです。
「淋しさに汚れた」という表現の、なんとも美しく哀しいことでしょうか。
速過ぎる時の 瞬きに晒されて
独りでは 届かない
願いなんて 消えそうなコトバじゃ
辿り着けない
出典: INVOKE/作詞:井上秋緒 作曲:浅倉大介
瞬きするほどの速さで過ぎていく時間。
独りでは目指す場所に届かず、辿り着けそうにないのでしょう。
「願い」なんていう言葉では言い表せないほどの、もっと大きな切望があるのかも知れません。
じっと目を凝らしても 見失ってしまう星
誰のものにもならない 光がある
口唇確かめる 生命の灯が
思い詰めたように 眩しいから
愛が先なのか 壊すのが先か 惑わされる
出典: INVOKE/作詞:井上秋緒 作曲:浅倉大介
2番です。
どんなに目を凝らしても、見失ってしまうような小さな星の光。
けれどそれは、本来は誰のものにもならないものです。
戦うことの無情を表しているようで、切なさが染みます。
愛と破壊のどちらが先なのか、惑わされる……それは、卵が先か鶏が先か、という解決しない議論のようです。
絡み合う熱の 伝えたい真実を
誰から 守ればいい?
キミがいつか 欲しがった想いが
そこにあるなら…
出典: INVOKE/作詞:井上秋緒 作曲:浅倉大介
伝えたい真実はどこにあるのか、一体誰から大切なキミを守ればいいのか、混戦する戦いの中では敵味方も不安定なのでしょう。
それでもいつの日か、キミが欲しがっていた想いがそこにあるのなら、やっぱり、守りたい。
そんなふうに、友情や恋愛なども含めつつ、「非戦」の方法を探すのです。
まとめ
「INVOKE」とはあまり聞かない言葉ですが、英語で「呼び出す」という意味です。
誰が誰を呼び出すのか、どこへ呼び出してどうするのか……想像は膨らみますが、それこそがアニメ『機動戦士ガンダムSEED』の根本なのかも知れません。
戦いや争いのない世界を誰よりも望むのは、平和な世界でテレビを見ている人間ではなく、実際に戦場にいる人なのではないでしょうか。
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