名盤「SURVIVE」のタイトルトラック
稲葉さんも松本さんも太鼓判を押すほどの、完成度が高い作品です。
そのタイトルトラックとなっているのが「Survive」。
激しい曲が多い同アルバムの中では異彩を放つロック・バラードです。
ブルージーな憂鬱さも感じられます。
直情的な歌詞が心に突き刺ささるようです。
ではさっそく歌詞の内容を1番から解説していきたいと思います。
「Survive」の1番の歌詞を紐解く
1番Aメロの心情
遠くはなれてる ここんとこの僕ら
そういうもんだと うなずけば楽なんだろう
出典: Survive/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
主人公は大切な人と離れ離れになっているのでしょうか。
1行目のぶっきらぼうな言い方がいいですね。
“遠く”といっていますが、これは心の距離が離れていることを指しているのでしょう。
以前と比べると、会う頻度が少なくなったことを嘆いているのです。
「そうじゃない」と自分を納得させようとしている主人公が浮かび上がってきます。
たった2行ですが主人公の、大切な人の距離感、以前との違い、やるせなさ、あきらめや焦燥がわかります。
自身に問いかけるBメロ
さぐりあう 人と人 行くあてないエネルギー
イエスなのかい これでいいのかい
答えが見えるのかい
出典: Survive/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
対人関係の虚しさを描いているようですね。
全力でぶつかることができない関係ばかりで、モヤモヤしているのでしょう。
“期待過剰から生まれるモヤモヤ”は嫌になります。
そして2行目からは、歌詞の主人公がだれかに問いかけています。
Aメロで出てきた大切な相手に対してだとも取れますし、自分自身に対してかもしれません。
安易な答えに不安を抱いているようです。
大切な相手と別れてしまうのでしょうか。
でもちょっと待ってください。
“イエス”と言っています。
もしかすると、大切な相手の安易な回答に葛藤を感じているのかもしれません。
関係を続けるかどうかの問いかけに対して簡単に“イエス”と言われて悩んでいるのでしょうか。
そう考えると主人公はかなり複雑な精神構造の持ち主だといえます。
1番のサビ
まだやだ 僕らは眠らない
目の前に道を oh,見つけるから
ただ欲しいのは 悔やまない心
おやすみの Kissをしても 終らない 終わりじゃない
出典: Survive/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
眠ることや終わることを強く拒否しています。
子どものような無邪気な言葉を使った歌詞が、心に響いてきませんか。
「後悔しない心を手に入れるまでは、絶対に終われない。」
一見するとそんな強い意志が感じられるようです。
ただ、"まだ"と"やだ"という言葉が冒頭にくることで印象がまったく違ってきます。
強くどっしり構えているというよりは、主人公にまったく余裕がなくてあがいている様子が伺えますね。
寝る前のキスは、普通に考えると恋人など大切な相手に対して、となるでしょう。
一日で一番安心できるときだと思います。
それでも主人公は落ち着かないようです。
就寝前のキスは、安堵の比喩なのかもしれません。
だんだん葛藤の実態がみえてくるようですね。
「Survive」の2番を徹底解説!
2番Aメロ
大事なことだって ジューニブン知っていても
黙って見すごして 何週間ガマンできる?
出典: Survive/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘