慈善活動団体「Bank Band」
Bank Bandとは
Bank Bandは、Mr.Childrenのボーカル桜井和寿と、音楽プロデューサーの小林武史が中心となり結成されました。
彼らと坂本龍一が立ち上げた「一般社団法人 ap bank」の事業として活動。
バンドの演奏活動の収益を環境保護・保全団体を中心に低金利で融資しています。
バンドメンバーは流動的ですが、東京事変の亀田誠治や、凄腕のドラマーである河村"カースケ"智康等が参加。
音楽通から見ても強力といえる布陣で構成されています。
主催の「ap bank fes」やライブ、CD、DVDやその他グッズの収益は全て「ap bank」の活動資金や寄付に利用。
特に「ap bank fes」では、彼らの活動に賛同したアーティストが参加し、年々大規模なものになっています。
参加するアーティストはロックからポップス、R&Bまで多種多様。
最近ではアル・ゴアとの対談や、アメリカ「TIME」誌への掲載など、活動内容が海外からも注目されています。
ボーカル桜井が敬愛するアーティストの楽曲が中心で、彼の音楽遍歴が垣間見えたりして興味深いです。
そんな中、少数を占めるオリジナル曲は、リリース年の「ap bank fes」のテーマ曲を担うことが多いです。
環境についてや人の優しさに触れる曲が多く、それは今回紹介する「こだま、ことだま。」にも該当します。
Bank Bandのシングルリリース手法であるデジタル配信
iTunes Store・レコチョク等で配信。
2016年7月20日に「限定配信」という形でデジタル配信でリリースされた「こだま、ことだま。」。
Bank Bandのシングルとしては5作品目であり、ホーンセクションが勇ましいミディアム・バラードとなっています。
2013年から2015年にかけ、Bank Bandは活動の支柱である「ap bank fes」を開催していません。
これにより事実上の活動休止状態となっていました。
2016年には宮城県の石巻港雲雀野埠頭をメインの会場とし、「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」が開催。
フェスのテーマソングとして、「こだま、ことだま。」がリリースされました。
「Find my Tokyo.」CMソングとして起用
東京メトロのキャンペーン企画である「Find my Tokyo.」。
「こだま、ことだま。」はリリースに先立ち、7月1日より「Find my Tokyo.」のCMソングとして使われていました。
CMは地上波で頻繁に放映されたため、記憶にある方も多いのではないでしょうか。
「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」に参加した方は、このCMによって曲の予習をしていたことでしょうね。
それでは「こだま、ことだま。」の歌詞を見ていきましょう。
繋がりを大切にした歌詞
響きあえば強くなれる
carry-on
carry-out
僕は僕を奏で
君と響きあえる
強くいられる
出典: こだま、ことだま。/作詞:櫻井和寿 作曲:小林武史
1行目の英詞には「続ける」、2行目には「実行する」という意味があります。
自分の人生や存在の意味、「自分らしさ」を周りに発信することを音楽に喩えた「奏でる」という表現。
自分を「奏でる」ことで、周りにいる人と「共鳴」し、心の底から理解しあうことができます。
そうして人と「共鳴」していくことで、人は強くなることができるわけですね。
人は一人では生きていけない。
だからこそ、人と人が共鳴することを実践し、続けていこう。
この部分からはそんなメッセージを感じ取ることができます。
不吉なものを表す歌詞
錆び付いた空を赤い目をした僕らが見てた
大好きな歌さえ 不意に優しい響きなくした
出典: こだま、ことだま。/作詞:櫻井和寿 作曲:小林武史
錆び色の空は人類にとってマイナスなことを表しているといえます。
「赤い目」は涙の比喩と考えることができますね。
安心できるものから「優しい響き」がなくなるという表現からは「響きあうことができない」状況が窺えます。
以上から、戦争や災害など、人と人がつながることを妨害するもののことについて歌っていると考えられますね。