米津玄師「あたしはゆうれい」
アルバム「Bremen」収録
「あたしはゆうれい」は、米津玄師の3rdアルバム「Bremen」に収録されている曲です。
米津玄師といえばキャッチーな曲調と独特のメロディセンスがその音楽の特徴ですが、この「あたしはゆうれい」でもそんな個性が存分に発揮されて、何度も聴きたくなる味わい深い曲に仕上がっています。
「Bremen」はオリコン週間チャートで見事1位を獲得し、日本レコード大賞で優秀アルバム賞を受賞するなど高評価を得ました。
アルバムにはシングルとしてリリースされた「Flowerwall」や「アンビリーバーズ」、人気の高い代表曲「フローライト」などが収録されています。
また、ツイキャス配信の弾き語りで披露されていた「ミラージュソング」もアルバム入りを果たしました。
どの収録曲も聴き応えたっぷりで、繰り返し何度も聴きたくなるような名盤です。
ちょっぴり切ないポップソング
「あたしはゆうれい」のMVは製作されていませんが、弾き語りカバー動画がいくつか投稿されています。
弾き語り動画からも分かりますが、「あたしはゆうれい」は米津玄師のポップな一面が前面に表れた曲です。
キャッチーな曲調が印象的ですがメロディには独特の癖があって、米津玄師らしい一筋縄ではいかない音楽性が伺えます。
かわいらしいタイトルや歌詞の曲ですが、その歌詞で描かれる物語はちょっぴり切ないものになっています。
そんな歌詞の意味を紐解いていきましょう。
「あたしはゆうれい」の歌詞を紐解く
主人公の立場を想像させる歌い出し
真っ赤な林檎に小さなランプ
灯りが射し込んだソファの上で
あなたはいつものように眠って
あたしは鏡の中でひたすら
悪夢が遠のくように祈った
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l037d1a.html
あなたの瞳はいつだって綺麗で
心の奥まで見透かすようだ
その水晶体が映す世界で
あたしはどうにか生きてみたくて
ひたすら心に檸檬を抱いた
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l037d1a.html
「あたしはゆうれい」の歌詞では、ある一人の女の子を主人公に据えて物語が描かれます。
女の子は「あなた」をずっと見つめていて、その視点が物語の景色となります。
眠れない女の子の様子や、「あなた」の目に女の子は映っていない様子から、この女の子のある立場が想像させられる歌い出しです。
曲のタイトルもヒントになっていますね。
切なく愛を歌う
あたしはゆうれい あなたにみえない
ひとひらの想いも 伝わらない
それでも愛を あたしの名前を
教えてほしいの その口から
ひゅるる
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l037d1a.html
サビで初めてタネ明かしされるように、主人公の女の子は「ゆうれい」でした。
なので「あなた」には見えず、当然「あなた」に向けている想いが伝わることもありません。
ゆうれいと人間。交わらない者同士で叶うことはないと分かっていながらも、女の子は切ない愛を「あなた」に抱きます。
「あたし」の心情を思って切なくなる
お船のメロンにナイフとフォーク
綺麗に並んだテーブルの上で
あなたは美味しそうにそいつを食べた
あたしは鏡の中でひたすら
あなたが生きてる姿を見ていた
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l037d1a.html