「私が声をあげて泣いていたら
君は振り向いてくれたのかな」
もう一度
抱きしめて
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
過去をやり直すことはできません。
だからこそ、やりたいのにできなかったことを思い返す時、人は寂しくなります。
「もしも、自分のやりたいように振る舞っていたら、何か変わっていただろうか」
そんな風に別の可能性を考えて、抜け出せなくなってしまうのです。
「私」は別れの日、涙をこらえてしまったのでしょう。
もしも我慢しなければ、現状は変わっていたでしょうか?
今になってそれを悔やんでいます。
想いは募るからこそ
まだ泣いてしまう
(Lovin’ you)涙が透明な理由は
(Missing you)雨に紛れられるからだって
(Lovin’ you)気づいたの
(Missing you)だから強く降って
(Lovin’ you)柔らかい笑顔と裏腹に
(Missing you)細くて大人な指先に
(Lovin’ you)かけられた
(Missing you)切ない魔法は
とけないままJust you
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
「私」にとって、雨は特別なものです。
雨が降れば、君が電車に乗ってきたのですから。
今となっては、これも君を思い出すきっかけの1つでしょう。
ここで、さらに新たな意味に気づきました。
雨は涙を隠してくれるのです。
感情が大きく動くからこそ、涙は流れます。
色あせない想いは、文字通りそのまま残っているのです。
小さな願い
秋の風に目が眩んで
ギュッとまぶた結んだ時
思い出よ記憶から
Ah 消えてくれませんか?
However
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
思いつめた「私」は、1つの願いを抱くようになりました。
何年たっても、この辛さは変わらないでしょう。
だからいっそのこと、君を忘れたいと願っているのです。
すべてを忘れるということは、もう好きだった人のことを思い出さなくなるということ。
君の趣味を教えてもらったことも、ときめきも、何もかもなくしてしまうということです。
けれど「私」は、それでもいいと思っています。
忘れる方が、想い続けているよりもよほど気が楽なのでしょうか。
「私」の想いの深さがうかがえます。
最後に 「ズルい」のはどっち?
曲のタイトル「ズルいよ ズルいね」。
歌詞を見る中で、1つの気づきを得ることができます。
実は、「ズルい人」は2人いるのです。
1人目は君。
「私」に何も告げることなく、急に姿を消してしまいました。
「私」は夢を叶えようと頑張っているのではと想像しますが、それも正しいかどうか不明です。
「私」の想いをないがしろにし、そのままいなくなった。
それが、君のずるいところです。
そして2人目のずるい人は、「私」自身です。
歌詞の中で、「私」自身のずるさに触れられているところがあります。
幸せには
ならないで
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
上に引用した部分です。
「私」は、君の夢を応援していたと考えられます。
夢が実現すれば、誰でも嬉しいものです。
幸福も感じるでしょう。
ですが前述の通り、「私」は心の底から君の幸福を願えているわけではないのも事実です。
この葛藤を自分で知っているからこそ、「私」は自分をずるいと評しているのです。
つまり曲名の「ズルいよ ズルいね」は、君への呼びかけと自嘲を含んでいます。
言葉を補うならば。
「私を置いて行った君はズルいよ。
でも君の幸せを心から望めない私も、同じくらいズルいね」
ということになるのです。
=LOVEをもっと楽しむ!
ガールズユニット「=LOVE」のプロデューサーは、なんと指原莉乃さん。
今回解釈してきた楽曲も、作詞は指原さんです。
指原さんの感性も光るユニットについて、もっと知ってみませんか?
テレビやアイドル活動だけでは分からない、新たな魅力に触れられるかもしれません。