1990年代後半に流行したUKガラージと共に、現代のEDM、日本古来の音楽文化。
色々な要素が複雑に組み合わさり、独特のリズムとメロディーを作り出しています。
聴く者の感覚にガツンと訴えかける超攻撃的な構成です。
それでいて、聴けば聴くほどに味が出て、大胆さと繊細さの両方を感じられます
表現力を堪能しよう
こちらは、アコースティックギターのみで旋律を奏でるバージョン。
アヴちゃんのハイトーンボイスと熱量をリアルに感じられます。
そして、豊かな表現力に驚かされる。
女王蜂は、新境地を開拓し、さらに飛躍しようとしているのかもしれません。
映画と見事にシンクロ
続いては、「Introduction」。
映画「東京喰種トウキョウグール【S】」の主題歌に起用されました。
もともと、アルバム「十」のラストに収録する曲として制作。
映画のために書き下ろしたものではありませんでした。
しかしながら、予告映像では曲が映画にマッチしています。
とりあえず何かを始めなければ
イントロは、ギターとベースを主体とするシンプルなメロディー。
静かに物語の始まりを伝えています。
新たな挑戦の前に、最後の晩餐を始めようとしています。
挑戦は、人が現状を打破する絶好のチャンス。
しかし、変化を恐れてしまい、なかなか踏み出せないものです。
だからといって、怖がってばかりでは何も始まらず、前進できません。
勇気と覚悟を持って始めよう。挑戦する機会を掴むのだ。
そのような想いが歌詞に込められているのかもしれません。
変化に怯えることなく、活躍のフィールドを開拓してきた女王蜂だからこそ、「Introduction」を発信できるのでしょう。
ゴールデンタイムのドラマと初のタイアップ
心の闇を粒だてて
冒頭、エレキギターが低音のメロディーをミドルテンポで奏で、漆黒の闇を彷彿とさせます。
ひたひたと何か得体の知れないものが近づいてくるような雰囲気。
「恐怖心で胸が埋め尽くされるけれど、先を見たい、知りたい」という不思議な感情になります。
ふたりまるでボニークライド
バンバン蜂の巣にしちゃうぞ
みんな楽しいんでしょ?なんで暗いの
ハートに杭打って吊るし
黒く染めてJACK!スペード
そう、ブラックリストに名を連ねるの
出典: BL/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
幾度も犯罪を繰り返したカップル・ボニーとクライド、危険を冒すヘンゼルとグレーテル。
彼らのように主人公の“ふたり”は、リスクを背負いながら、逢瀬を重ねています。
日常生活でひた隠しにしている習性、誰にも知られたくない本性、全てをさらけ出して。
人間の心の闇と鬱屈した感情がつまびらかに表されています。
人の禍々しい部分が蠢くドラマのストーリーと見事にシンクロしていますね。