2017年、ソロワーク20周年を迎えたSUGIZO
SUGIZO。この名を聞いて、まず思い浮かべるのは、X JAPANのギタリストとしてのSUGIZOでしょうか、それともLUNA SEAのギタリストとしてのSUGIZOでしょうか。
それともソロ作品の孤高の世界を展開するSUGIZOでしょうか。
SUGIZOがロックギタリストとしてのキャリアを開始したのは、LUNA SEAでした。
幼いころからオーケストラ団員の両親の元、クラシックの英才教育を受けてきたというSUGIZOの確かな音楽性は、「DESIRE」や「I for You」などのLUNA SEAの中でも屈指の名曲を生み出しました。
2009年にX JAPANの6人目のメンバーとして正式加入。
それらのバンド活動と並行してソロワークを1997年から手掛けています。
2017年11月には、ソロデビュー20周年、集大成ともいえるアルバム『ONENESS M』を発表。
10人のヴォーカリストをゲストに迎えた、フィーチャリング・アルバムとなりました。
ここではそんなSUGIZOの愛用ギターなど、こだわりの使用機材を見ていきましょう。
SUGIZOのギターを手掛けるESP
SUGIZOのギターを手掛けるのは、ESPという日本のギターメーカーです。
当時はまだ一般的でなかったオーダーメイドのギターメーカーとして、1975年に誕生したESPはその卓越したクオリティから、世界中のアーティストの注目を集めるようになります。
どんなオーダーにも臆すことなくチャレンジする姿勢、クラフトマンの高度な技術、最高の素材を使用したそのものづくりはアーティストに絶大な信頼を寄せられるほどに。
英大御所バンド、ローリング・ストーンズのロン・ウッドや、スラッシュメタルの重鎮、メタリカのカーク・ハメットもESPのギターを愛用していることでも知られています。
日本でも、高崎晃やChar、横山健など有名アーティストが使用しています。
使用ギターを紹介
ESP ECLIPSE S-III
SUGIZOの代名詞ともいえるギター、ESP/ECLIPSE Sシリーズ。
今回紹介するのは、2017年にバージョンアップしたECLIPSE S-Ⅲ です。
ボディのシェイプはレスポールタイプで、木材の鳴りが活かされています。
ボディにアルダーを使用することの多かったSUGIZOですが、本器はメイプルトップ、マホガニーバックと、その素材使いもよりレスポールを意識したものとなっています。
ピックアップは3基搭載。
フロントにはSUSTAINIAC® STEALTH PRO搭載。オリジナルのピックアップカバーでセットされています。
センターにはSUGIZOサウンドの要、シングルコイルのSeymour Duncan CustomShop SP90 TB Space、リアにも同じくSeymour Duncan CustomShop SP90-TB Spaseが搭載されています。
この現在のSUGIZOのお気に入りであるP-90タイプのピックアップは、シングルコイルの中でもハイパワーで、個性的なサウンドが特徴です。
このピックアップのセレクトが、あのSUGIZOサウンドの秘密です。
シングルコイルがその秘密…?
現在レスポールタイプのギターにはハムバッカーを搭載する場合が多く見られます。
そのほうがボディに使用されるメイプルの持つのきらびやかな音を引き立てるからです。
またシングルコイルよりノイズが少なく、パワーがあるので激しく歪ませることができ、低音もよく出ます。
ハムバッカーを使用すれば、華やかなロックサウンドが簡単に出せるといえるでしょう。
シングルコイルの場合、ハムバッカーより音の粒をはっきりと表現し、ピッキングのニュアンスが音に鮮明に表れます。
弾き手の個性がより現れやすい反面、ごまかしのきかないシビアな面も持っています。
一見、手強そうに見えるピックアップですが、SUGIZOはピッキングの繊細なニュアンスが表現できるシングルコイルを愛用しています。
ハムバッカーの多少雑でも誤魔化しのきくサウンドは必要なく、ハムバッカーのようにパワーのあるサウンドが欲しい時でも、ピッキング次第でシングルコイルでも十分表現できると語っています。
SUGIZOは、もはや音色はピッキングで表現できる次元に達しているようですね。その腕前は、さすがの一言しか言いようがありません。
ネック材にはマホガニー、フィンガーボードはローズウッドです。
ESP ECLIPSE V-IX
フライングVタイプの、このギターのボディに使用されているのはアルダーです。
持った時のバランスがとてもいいとSUGIZOが語るこのギターは、ライヴでの登場回数も多いですね。
3ピックアップ仕様で、フロントにSeymour Duncan Custom Shop Staple Pickup Repro "ALNICO V"、センターにSeymour Duncan SP90-1n、リアには Seymour Duncan SP90-3bを搭載。
VシェイプでもしっかりSUGIZOサウンドを奏でます。
ネックは3Pハードメイプル、フィンガーボードはローズウッドです。
Navigator N-ST SGZ Custom -D2-
このストラトスタイプのボディにはアルダーを、ネックはハードメイプル、フィンガーボードはローズウッドと、先ほど挙げたVシェイプタイプとあまり材質に変わりはないようです。
ネックが3Pタイプかそうでないかの違いですね。
ピックアップも3ピックアップタイプで、Vシェイプのものと全く同じ仕様です。
かなり使い込まれた感がありますね。
ジョイントが、これまで紹介した2タイプのギターがセットネックだったのに対し、このタイプのみボルトオンとなっています。