Base Ball Bearのメジャーデビュー後初シングル
「ELECTRIC SUMMER」は、Base Ball Bearのメジャーデビュー後初のシングル曲です。
直訳すると「電気の夏」という斬新なタイトルで、なんだか楽しそうでワクワクするタイトル!
実際聴いてみると、そのイメージに違わず明るくてみずみずしいサウンドが印象に残ります。
まさに直感で夏を思わせる、聴いて楽しい一曲ですね。
公開されているMVは学校を思わせる場所で、Base Ball Bearが曲を演奏しています。
曲は晴れ渡る空のような爽快感を感じますが、映像はどちらかというと暗い雰囲気です。
主人公と思しき制服姿の女の子が、どこへ向かい何をしようとしているのかも気になるところ。
さてそんな「ELECTRIC SUMMER」の歌詞は、何を描いているのでしょうか。
夏に感じる思い
夏といえば海や晴れ渡る青空、暑さといったイメージがあります。
「ELECTRIC SUMMER」の歌詞は、これらの要素が盛りだくさんです。
定番といえば定番ですが、これらのキーワードを使ってただ夏を表しているだけではありません。
その先にある、本当のテーマは何でしょうか。
紅の季節
街と海の狭間で、指で作った銃を誰かが撃つ
鉄みたいな紅の季節は ビルの陰から顔を覗かせている
NGに触れたい表情が映る
出典: ELECTRIC SUMMER/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介
「海」というワードが出た時点で、既に夏らしさを感じさせる出だしですね。
「指で作った銃」とは、親指と人差し指を立ててできる銃のことかと思われます。
人差し指を銃口に見立て、何かを撃ったようです。
本当に弾を撃ったわけではないでしょうが、これは何を意味しているのでしょうか。
これだけでは分かりませんね。
歌詞は2行目に続くのですが、「銃」「鉄」「紅」となると血を連想させます。
しかし「紅の季節」とは恐らく夏のことだと思われるので、本当に血を表しているわけではないでしょう。
となると高温の鉄のように熱(暑)く、ギラギラとした紅色の太陽…という意味ではないでしょうか。
「銃」は海で遊ぶ際によくやる水鉄砲との関連付けかもしれません。
町と海の間にいる主人公の目線で見ると、ビルの陰から太陽が昇ってきている様を描いているのでしょう。
その表情は禁忌を犯そうかという顔です。
「やってはいけない」と禁じられると逆にやりたくなる、ということに感じられます。
何をしようというのでしょうか。
記憶が空になる時
サイダーを飲み干し、扉を開いた(electric summer)
思い出して(electric summer)
大空になる(electric summer)
街に消えゆく、(electric summer)君の逢いたい
出典: ELECTRIC SUMMER/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介
「サイダー」もまた夏を想起させる清涼飲料です。
それから「扉」を開くのですが、これも何につながるものなのか歌詞だけではよく分かりません。
未来への扉のようにも、暑い夏がもたらす青春の入り口のようにも解釈できます。
「君」が主人公の好きな人なのだとしたら、その人が扉の鍵になりそうです。
相手と一緒にいる未来を願うことも、相手を想うという青春も「扉」に繋がっているのだから。
共に過ごした日々が、大空のように壮大で大きなものになっているのではないでしょうか。
その広がった記憶が「扉」の向こうにあるものであり、相手に対する想いと解釈できます。
夏で展開する青春
季節は夏ですが、どうやら「ELECTRIC SUMMER」が描いているのは青春のようです。
たしかに夏といえば、海に夏祭りと青春を謳歌できるシチュエーションが沢山あります。
好きな人と過ごせる幸せな時間が、きっと主人公の求めるものなのです。
夏の告白
小説色の滲み出す 浮世離れした黄昏
夢中になって素肌の告白を かましあう君達は、
夏いね結んだ髪と香りを振り解いて、
出典: ELECTRIC SUMMER/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介