GLIM SPANKY「ストーリーの先に」
テレビドラマの主題歌
ロックとブルースを再解釈した独自のサウンドによって、同業者からの評価も高いGLIM SPANKY。
今回ご紹介するのは、彼らの5thシングル楽曲「ストーリーの先に」です。
シングルにはカップリングとして「Breaking Down Blues」、「Tiny Bird」も収録されています。
朝日放送テレビ系列ドラマ『Re:フォロワー』主題歌
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/GLIM_SPANKY#シングル
今回は「ストーリーの先に」の歌詞に注目し、その意味を解釈していきます。
この物語が続いていく先には一体どのような未来があるのでしょうか。
YouTubeでMVが公開中
YouTubeでは、「ストーリーの先に」のMVが公開中です。
どこか不穏な雰囲気の漂う映像の中、女性の様子に注目すると女性の顔が変化しています。
これは顔認識システムを用いて、女性の顔を他の女性の顔に変化させることで多重人格の様子を描いたものです。
このMVを担当した制作グループPERIMETRONは、何故このようなホラーともいえる表現に至ったのでしょうか。
これはこの楽曲を読み解く上で重要なポイントといえます。
楽曲のプロモーションとして使われるMVは、楽曲の魅力を引き出すもの。
MVを見ることで、この先でご紹介する歌詞の解釈の理解を深めることができることでしょう。
夜とストーリー
靄の夜
靄がかってる夜は 無闇に家を出ないで
焚き火の音爆ぜた 攫いの手から守って
窓を叩く亡霊
それは現実か
手招きしてくるよ
出典: ストーリーの先に/作詞:松尾レミ 作曲:GLIM SPANKY
まず冒頭のパートでは、夜の不穏な情景を描いています。
1〜3行目の歌詞は、どこか幻想的なイメージと共に夜の恐怖を感じさせるものです。
特に3行目の「亡霊」という言葉はその象徴のように扱われています。
2行目の「攫い」というのも「亡霊」の仕業なのでしょう。
4、5行目でも「亡霊」について引き続き言及しています。
死者の魂を意味する「亡霊」は、本当に実在するものなのか。
主人公は疑いと恐怖が綯い交ぜになった気持ちでいるのでしょう。
このパートにおける「亡霊」とは一体何を指しているのでしょうか。
それはこの先の歌詞を読んでいくことで徐々に明らかになっていきます。
正しいふりをする
嘘ばかりのストーリーがまるで
正しい様なふりして蔓延るよ
出典: ストーリーの先に/作詞:松尾レミ 作曲:GLIM SPANKY
ここではタイトルにも含まれている「ストーリー」という言葉が用いられています。
この2行の歌詞において、何が表されているのか。
この部分は前述のパートとの対比として、現実の世界について描写していると考えられるでしょう。
現実において、本当のことかのように語られる様々な物語。
それはSNS等の発達により、更にその真偽が分からなくなりました。
人々の人生でさえ輝かしいところばかり切り取られたり、都合の悪い部分は隠されたりする時代。
世の中に溢れる真偽不明の物語の数々について、苦言を呈しているのでしょう。