2番の歌詞は1番よりも抽象的な表現が多くなります。
あえてぼかした言い方をするのは、きっと主人公が見ている世界もぼやけているから。
主人公は自分の気持ちを持て余した挙句、きちんと向きあわないまま放置してしまったのでしょう。
そうして腐ってしまった心を、主人公は手放したくなっているのかもしれません。
切なさは残り続ける
ガラス窓ぶつかった光が増えて作る夢道
同じくあたしの心も連れてってくれないかな
出典: 運命/作詞:aiko 作曲:aiko
窓ガラスを通して拡散された日の光。
主人公はそれを「夢道」と表現しています。
部屋に散らばる光の粒を追っていけば、夢の世界へと行ける。
そんな気持ちになったのかもしれません。
この歌詞を見る限り、どうやら雨は上がったようですね。
しかし、主人公の心は未だ晴れないまま。
もし本当にこの光の先に夢の世界があるなら、どうか心だけでも連れていってほしい。
主人公がそう願うのは、きっとまだ胸のなかがモヤモヤとしているからでしょう。
過去の恋に未練はなくても、切なさだけはずっと残っているのかもしれません。
弱さを盾に傷付けた
こんな日はこんな日は
傷付けてしまう
出典: 運命/作詞:aiko 作曲:aiko
心に余裕がないことを、主人公も自覚している様子です。
昔のことを思い出して、少々センチメンタルになっているのかもしれませんね。
寂しいけれど今誰かと会ったら、傷付けてしまいそうな気がする。
主人公がそう思うのは、きっと過去に同じような経験をしているからでしょう。
雨の日に何かがあったように、自分の心の弱さを盾にして酷いことを言ってしまった過去がある。
そんな後悔が、ずっと主人公の胸をモヤモヤとさせているのかもしれません。
すべての感情は未来へと繋がっている
受け止められない程 身も心もこの愛も
遠くに離れていってしまったのね
いつしか熟して腐ってく良いことや悪いことを
泣いて抱きしめる力が欲しいんだよ
出典: 運命/作詞:aiko 作曲:aiko
かつて愛していた人の心や体や愛。
それらはもう手の届かない場所にあります。
恋人と別れる時、主人公はきっと深い悲しみに暮れ、声が枯れるまで泣いたことでしょう。
しかしやがて涙は乾き、恋人を愛していた気持ちさえ忘れてしまいました。
熟れた果実が腐って土に還っていくように、すべての感情は次の感情を生むための苗床に変わっていくのかもしれません。
主人公の心に渦を巻くモヤモヤとした気持ちもいつかは腐り、未来に繋がるエネルギーへと変わるはずです。
そんな風に芽生えては腐っていく無数の感情を手放してしまいたくなるときもあるでしょう。
それでも主人公は自分の心を抱きしめたいと願います。
楽しいことも、苦しいことも、感じた気持ちには必ず意味があるはず。
明日を生きるため、夢を見るため、主人公はすべての感情を受け入れる決意をしたようです。
運命を信じていた
あなたを愛していた頃、主人公は運命を信じていました。
でもあなたには「運命」なんて言葉、冗談のようにしか言えなかったのかもしれません。
愛していた気持ちも忘れてしまった今となっては、それはきっと少しくすぐったい思い出になっていることでしょう。
過去の自分を認めてあげよう
こんな日はこんな日は
間遠ってしまう
思い切り生きた
もう生きた
出典: 運命/作詞:aiko 作曲:aiko
ここの歌詞からは、どこか吹っ切れた様子の主人公の姿がうかがえます。
後悔に心を支配されていたら、何も始められない。
雨が降っていても、心がモヤモヤしていても、かまわず歩き出そう。
結果的に間違えてしまったとしてもいいじゃないか。
間違えて、後悔して、悲しみに暮れて…。
きっとそれが「生きる」ということなのでしょう。
そう思えたからこそ主人公は、「もう生きた」と過去の自分を認めてあげられたのかもしれません。