迫る 感情が 残像で 参上
壊す 爆音で 颯爽と 脱走だ
かかる 重力の解消法
極上の引力で 散らかして

出典: Kitchen/作詞:GEN 作曲:GEN

あれ?猫はどこに行ったの?

聴いている人をとことん振り回す歌詞ですね。

しかし、こうして振り回されるのも悪くない。

むしろ、どんどん楽しい気分になってきませんか?

ここの歌詞は、内容だけ見てみても物凄い勢いがあります。

「参上」したかと思ったら、すぐに「脱走」。

あっちこっちに移動して、聴いている人を一瞬たりとも飽きさせません。

気づけばフォーリミの音楽に引き寄せられている。

もしかしてこれが「極上の引力」?

でも、引き寄せられたと思ったら、すぐに散らかってしまいましたね。

意味なんかなくてもいい

今宵 キッチンで 踊り食い
キッチンで 飛びたくなっちゃう
フィクションに 潜り込み
フィクションで 泳ぎたくなっちゃうや

出典: Kitchen/作詞:GEN 作曲:GEN

ここの歌詞からサビに突入します。

MVでもそうだったように、フォーリミがキッチンでやりたい放題……。

「踊り食い」とは魚介類を生きたまま食べることです。

しかしこの曲の場合は、フォーリミのメンバー自身が踊り狂っていそう。

なにせ、キッチンで飛びたくなっているくらいですから。

どこに飛んでいくというのでしょう?

その答えは、「フィクション」。

これまで散々、謎を生んでおいて、ぜんぶ「フィクション」でした?

そりゃないよ!

思わず叫んでしまいそうな歌詞です。

つまり、これまでの歌詞はすべて「考える、感じろ!」ということだったのでしょう。

意味なんかなくても、ノリが良くて楽しいならいいじゃん!

フォーリミにそう言われているような気分です。

謎は謎のまま

2番に入ってからも、フォーリミの勢いは止まりません。

大切なのはノリの良さ。

つじつま合わせなんてしなくていい。

それにしても、冒頭で歌われていたミッションは、いったいどこへ行ってしまったのやら……。

「あいつ」って誰?

何処から何処へと 何処からともなく 此処に着いて
何処から何処まで ほんとのほんとか 分からずに
猫も微睡む 28時半
ほらまたあいつが出て来るぞ

出典: Kitchen/作詞:GEN 作曲:GEN

「何処」のゲシュタルト崩壊……。

音楽だけなら聴き流せても、歌詞を見ていると目がチカチカしてきますね。

けっきょくフォーリミは「何処」から来たのか。

それは本人たちにも分かっていない様子。

しかしたどり着いた場所は、おそらくキッチンで間違いないでしょう。

現時刻は「28時半」。

猫はいまだ微睡んでいるようです。

真夜中のキッチンにたどり着いたフォーリミは、「あいつ」が出てくるのを待っています。

いや、だから「あいつ」って誰?

当然のように歌われている「あいつ」の存在。

これについても、ついに解き明かされることはありませんでした。

夜中のキッチンで何を企む?

謎は謎のまま。

猫が登場した意味も、「あいつ」の存在も分かりません。

しかしせめて、フォーリミが夜中のキッチンで何をしていたかだけは知りたい。

それが分かれば、きっと冒頭の「ミッション」に込められた意味も読み解けるはずです。

背徳感にも似たわくわく

秘密基地に 忍び込み
キッチンで 飛びたくなっちゃう
基地に 潜り込み
フィクションで 泳ぎたくなっちゃうや

出典: Kitchen/作詞:GEN 作曲:GEN

「基地」と「キッチン」。

語感が似ていて、聴いていると気持ちがいいですね。

真夜中のキッチンは人気もなく静まり返っていて、まるで「秘密基地」みたい。

本来なら眠っていなければならない時間。

そんな時間にこっそりキッチンに忍び込んで、自分だけのご馳走でもつくろうか。

もしかしたら、そういった背徳感にも似たわくわくが、この曲のテーマなのかもしれません。

「逃げ場」の確保