狙いすました空にたどり着けば花火は大輪の花を咲かせます。
大空に広がった花火の光が目に飛び込んできました。
光がスイッチになってよみがえるのは、2人で見たあの日の花火。
あの夏の思い出にフタをしていた訳ではありません。でも忘れるにはまだ早すぎました。
忘れられないあなたの横顔と空の花火。
あなたは花火を見ていたけれど私はあなたの横顔を見ていたのです。
横顔を見ながら感じた周りの匂いがあなたの匂いとなって私の中に残っています。
光と匂いに包まれたあの夏の風を2人で感じることはもう二度と無いのでしょうか…。
つないだ手のぬくもり…
人であふれる堤防 はぐれないように
間近で見た10号玉 まばたきを忘れた
出典: あの夏の花火/作詞:吉田美和 作曲:西川隆宏・中村正人
あなたとの思い出を語ります。約束をして出かけた人気の花火大会は混雑していたようです。
花火大会は見る場所を決めるのが楽しむためのポイント。
誰もが目指す花火が綺麗に見える場所は、大勢の人が集まって歩くのも困難に…。
花火大会に行きたいけれど、ためらってしまう理由はココですね。
でもこの混雑は2人の距離を縮めることが可能です。
特に女子が浴衣で下駄をはいていたら男子は無意識でサポートしてしまいます。
双方が慣れない浴衣と下駄ならもうゆっくりと進むしかありません。
歌詞の中の主人公とあなたは迷子にならないで花火を見ることが出来たようですね。
勢いよく上がった花火に2人の愛を重ねました。今日の花火は決して忘れない…。
この夏の花火が終わっても2人の恋が続くことを祈りつつ、手をつないだまま花火を見つめていました。
あなたは今…
歌詞は目の前で繰り広げられる花火と、思い出の中の「あの夏の花火」を行ったり来たりします。
ここではまず今の花火を目にしながら心は思い出の中に入っていきました。
覚えていて欲しい…
今頃 あなたも どこかで 思い出してるの?
あの日のこと
出典: あの夏の花火/作詞:吉田美和 作曲:西川隆宏・中村正人
2人で計画して2人で人混みの中を、手をつないで歩いたのに…。
主人公はいま一緒に花火を見た『あなた』が何処にいるのか知りません。
あの花火が終わってからも主人公の心の中に居続けるあなた。
でもあなたの心には主人公がいるかどうかは確認をする術もないのです。
それでも願います。あなたがまた花火を見上げるのを。
花火を見ればきっと思い出してくれる…「あの夏の花火」を見ていた2人のこと…。
梅雨明けと共に絶好調?
友達にひやかされた もう夏の初めには
2人して 鼻と頬だけ 焼けていた
出典: あの夏の花火/作詞:吉田美和 作曲:西川隆宏・中村正人
歌詞は2人の夏の思い出に再び戻りました。
夏前から付き合いを始めたカップルは夏本番と同時にドンドンとテンションを上げていきます。
イベントも多い夏、BBQにフェスにビーチとアウトドアで過ごす時間が多い時期。
ついうっかり日焼け止めを塗り忘れるのも夏の初めにありがちなことですね。
歌詞にも微笑ましい2人の様子が描かれています。しかも2人で同じように日焼けしているなんて…。
一緒に同じ場所に出かけたことがバレバレです。
友達から指摘されることだって嬉しくて、大笑いした2人。
このテンションのまま「次は花火大会!」と盛り上がったのも納得できます。
落ちてくる花火を見ていると…
川に落ちる花びらが 消えていく間際に
立てる音がせつなくて 目をそらせなかった
出典: あの夏の花火/作詞:吉田美和 作曲:西川隆宏・中村正人
再び今の気持ちを歌いますが、心はまだ思い出の中に取り残されたままです。
目の前の花火大会は順調にプログラムが進んでいます。
また大空に花を咲かせるように花火が広がりました。
でも主人公は打ちあがる花火を見ていません。上を向けばあなたを思い出して切なくなるだけ。
涙を見られたくなくてうつむけば、花火が次々と川面に消える様子が目に入ります。
光の速さと音の速さがズレるのは科学的に分かっていること。でも急にそれがあの日の2人の気持ちに思えてきたのです。
あの日あんなわがままを言わなければ2人は続いていた?小さな行き違いが許せないのは私が悪かったの?
あの花火大会に行かなければ2人は続いていたかも…迷いの中で水の中に散っていく花火を独り見ています。
思い出の中で終わる夏
シンプルに思い出にしようと思っていてもそれがなかなかできません。
花火の光と音が続いている間はあなたを思い出していたい。「あの夏の花火」の中にいる私を取り戻したい…。
ここから歌詞は最後まで主人公の今の心を描き出します。