星野源「Week End」とは?
星野源のWeek Endは、冒頭に書いた通り、めざましどようびのテーマソングとして使われていた曲です。
収録アルバム「YELLOW DANCER」は、星野源が言うイエローミュージックという新しいジャンルの音楽の、指標となるようなアルバムとも言われています。
そして、「Week End」はそんなアルバムを引っ張っていくような曲と評価されています。
星野源が目指すイエローミュージック
イエローミュージックとは星野源の様々なインタビューからの筆者の解釈ですが、海外の音楽を吸収しつつも真似ではなく、日本人のフィルターを通した音楽であり、具体的にはJ-POPらしさも持ちつつ、ヒップホップのようなJ-POPにはないようなリズムを持った音楽です。
実際、「Week End」の刻むビートには、今までにない感じ、そして思わず踊りだしたくなるようなノリがありますよね。
そんな、ダンサブルなリズムを持つ「Week End」は歌詞もシンプルな言葉で、言葉の持つ響きを音に乗せている印象を受けます。
そのため、あまり深読みするべきではないのかもしれませんが、今回はあえて歌詞の意味を最初から最後までがっつりと解釈することで、この曲の違った一面を見ていきたいと思います。
星野源「Week End」の歌詞
「Week End」の歌詞は「未来を今踊る」、「朝まで夜を抱いて」など、対義語を多用することで独特の浮遊感を生み出しており、口ずさむだけでその高揚感を味わうことができます。
しかし、そこが歌詞の意味を解釈するには難解さを生み出していると言えるでしょう。
また、繰り返しも多いのですが、繰り返しの中に少しずつある変化に注意して、解釈していきます
まずは、冒頭の歌詞から見ていきます。
「さよなら」が表す多忙な平日からの解放と「踊る」という自由
さよなら目が覚めたら
君を連れて
未来を今踊る
週末の街角ここから始まる
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源
歌い出しのさっと言い切る「さよなら」が印象的ですよね。
これは曲のタイトルである「Week End」からわかるように、週末の朝の開放感を表現しています。忙しい平日からの「さよなら」ということです。
そして、「君を連れて未来を今踊る」ですが、ここはそのあとの歌詞、「週末の街角ここから始まる」という歌詞と合わせて意味を考えてみます。
「未来を今」ってどういうこと?と混乱してしまいそうになりますが、どんな未来も今の延長線上にあると考えると、今日は未来の始まりの0地点と解釈できます。
そして、平日から解放された週末の朝は、週末の始まりであり、今いる普通の街角もスタート地点ということになります。
つまり、週末の始まり、未来の始まり、ここから始まりという三つの始まりを重ねているのです。そして、「踊る」という行為は自由で楽しいものであり、楽しく「生きる」ということ。
つまり、これから楽しい週末が、未来が始まるんだという歌詞な訳です。
高揚感を生み出しているのは対義語やリズムのテクニックだけでなく、こうしたワードチョイスもその一因だったことがわかりますね。
星野源の計り知れない凄さがわかったところで次に進みます。
大切な「君」と過ごす週末
夢から目が覚めたら 君を連れて
未来を今 踊る
週末の街角 朝まで
身体を交わそう
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源
先ほどの歌詞とは違い「さよなら」ではなく「夢から」という言葉でスタートします。
先ほどは触れませんでしたが、この歌に主人公がいるとしたら、主人公の「君」というのは大切な人を表現していると言えます。
「君」がとても大事だから、楽しい週末も未来にも、「君」の存在が必要不可欠。
週末なのでゆっくり眠れるのも嬉しいことですが、それ以上に、「君」といる時間を大事に想っている姿が浮かびます。
そのことから、「身体を交わそう」という歌詞は、シンプルに男女の交わりだと思います。
ここまでの歌詞が連想ゲームだとしたら、週末→平日から解放→楽しい未来の始まり→君とゆっくり一緒に居られるという感じでしょうか。
季節の変化と心情の変化
花が色づく頃は 心も浮ついて
誰かに声をかけて 無茶な口説き方して
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源
ここの歌詞は先ほどの「夢から目が覚めたら」から始まる歌詞を挟んで続く歌詞も合わせて一緒に見ていきたいと思います。
それが次の歌詞です。
木の葉色づく頃は
心に穴が開いて
指の先少し冷えて
貴方の温度探す
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源