春である「花が色づく頃」と秋である「木の葉色づく頃」が対比してある部分で、時間の経過を感じることができます。
ここで歌っているのは、心が浮ついて誰でも良い誰かに声をかけて口説いた春から、心に穴があくほど寂しくなるくらい「貴方」というたった一人のことを想う秋。
俯いてしまうような過去も超えて、恥や外聞も捨てて
今を生きる全ての人に捧ぐ
俯いた貴方と靴を鳴らし昔を飛べ
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源
踊るということはこの曲の中で楽しく生きるという意味で使われていると書きましたが、ここからの歌詞では楽しく生きていけないような要素を全部取っ払ってしまおう!というような歌詞になっています。
「俯いた貴方と靴を鳴らし昔を飛べ」という歌詞は、思わず俯きたくなるような忘れたい過去は踊るように楽しんで乗り超えようということ。
今を踊る すべての人に捧ぐ
君だけのダンスを 世間のフロアに出て叫べ
出典: Week End/作詞:星野源 作曲:星野源
先ほどの歌詞と対になるこの「君だけのダンスを世間のフロアに出て叫べ」という歌詞は、「世間」や「叫べ」という言葉からわかるように恥や外聞を捨てて、自分だけのやり方で堂々と楽しもうということです。
この歌詞の前の「夢から覚めたら」から始まる歌詞では「身体を交わそう」が「言葉を交わそう」に変わっています。
「叫べ」という単語からもわかるように、溜め込むのではなく、自分の言葉で発信すること、そして、そんな君の言葉を聞きたいというとても星野源らしい歌詞です。
そして4回目の「夢から覚めたら」から始まる歌詞では「朝まで夜を抱いて」という歌詞に変わって居ます。
「未来を今踊る」では、今から未来が始まるという連続性を描いていましたが、ここではあえて朝から夜まで楽しもうというニュアンスを「朝まで夜を抱いて」という表現にしているところが、過去を超えろを「昔を飛べ」という表現と同じく描写のうまさが表れていますね。
「Week End」が伝えるメッセージ、「週末」とは?
最後のサビの歌詞では、「さよなら目が覚めたらすべてを連れて」と「君を」から広がりを見せ、「未来を今踊る」は「未来を今変える」と、そして最後は「電波を世間を未来を踊ろう」という言葉で終わっています。
これは楽しく生きるため、「君」が必要というところから、もっと広い視野となって、いつでもどこでも未来を変えることができる、楽しく生きていこうじゃないかというメッセージになっています。
いつでも、というのは、例えば、この週末でも。
どこでも、というのは、例えば、自分の住む街角でもということです。
こうして考えると、これからの未来のために何ができるかなという考えに至り、週末の過ごし方を変えたくなりますよね。
未来のスタート地点である今日が変わると、未来も変わる、そういうことなのです。
この曲において「週末」という言葉はその言葉が持つ「開放感」を強調してあるほか、未来への始まりの日という意味で使われている気がします。
自由にできない平日から解放されたのだから、ダラダラ過ごすのではなくどうせなら楽しく、大切な人と、未来のために週末を過ごそうという前向きなメッセージがそこにはあるのではないでしょうか。
起き抜けについ踊ってしまうようなイメージ
星野源はめざましどようびのテーマ曲に決まった時に、週末の朝に、起きたら自分の部屋のはずなのになぜか頭の上でギラギラとミラーボールが回っていて、起き抜けに思わず踊り出してしまうようなイメージで作ったというようなことを言っていました。
このコメントは初めて聞いた時の印象そのままという感じですよね。
しかし、歌詞を解釈を知ると、余計に週末にこの曲を聴きたくなりませんか?
全てを引っ張っていく音楽
「Week End」の歌詞の解釈、いかがでしたか?
もちろん様々な解釈があるとは思うのですが、以前のインタビューで星野源はすべてを引っ張っていくような音楽が作りたいというようなことを言っていました。
この言葉を今回の解釈に当てはめると、「Week End」はまさに、過去や世間体なんて飛び越えて、楽しい未来のことを考えようと、すべての人の手を引いて、前へと進んでいくような歌詞を持った曲であり、すべてを引っ張っていく音楽だと言えるでしょう。
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