5位 Longing ~跡切れたmelody~

1995年8月1日、11作目シングル

題名にある「跡切れた」は「とぎれた」と読みます。

アルバム『DAHLIA』の中で最初に制作が開始された曲と言われています。

以前の楽曲に比べて前向きな歌詞が特徴的なバラードです。

X-JAPANのバラードの中でも非常に美しい一曲で、何と三ツ矢サイダーのCMにまで起用されました。

これまで紹介してきた楽曲からも分かるように、X-JAPANは「紅」を中心にどうしても暗くて過激な曲が多めです。

それ故に狂気を感じさせることも少なからずあるのですが、この曲は全くそういう狂気がなく万人にお勧めできるでしょう。

ただ愛する人の為だけに歌う切なる願いが歌詞とメロディから痛いほどに伝わってくる名曲中の名曲です。

4位 Forever Love

1996年7月8日発売、14作目シングル

小泉純一郎元首相が自民党総裁時代に、自身が出演する党のCMソングにこの曲を使用し、一気に知名度がアップ。

1997年12月31日、東京ドームでの解散ライブの後に出演した第48回紅白歌合戦でこの曲を演奏し、HIDEがいるX JAPANのラストステージとなりました。

シングルとしてリリースされたのがオリジナル・バージョンで、アルバム『DAHLIAにはアコースティック・バージョンが収録されています。

しかも『行列のできる法律相談所』のチャリティー・オークションでも楽譜とCDを出品したときの落差金額360万を寄付していました。

単なる愛の歌というだけではなく、こうして様々な形での社会貢献に寄与しているというところが素敵な部分でしょう。

因みにラブソングだと思われがちですが、元々は椎間板ヘルニアにかかったYOSHIKIさんが療養中の気持ち歌詞にしたのだとか。

そういう意味では障害者支援の歌とも取ることが出来、だからこそこれだけ愛され親しまれているのだと思われます。

3位 Say Anything

1991年12月1日、8作目シングル

X名義時代の最後のシングルであり、最も売れたシングルでもあります。

この曲が収録されているアルバム『Jealousy』は、TAIJIが参加した最後のアルバムです。

優しい曲調と悲痛な歌詞が美しい珠玉のバラードですが、キーが高いため、レコーディング時にはToshIが吐血した(!?)と言われているほど。

仮想敵が何とかつての大ヒット曲「ENDLESS RAIN」だそうで、自分達で自分達の曲を超える決意を固めたのです。

その苦しみは歌詞にも表れていて、「壊してくれ」「綺麗に殺し合えば」とXらしい物騒な歌詞が並んでいます。

こうしたエピソードや歌詞の数々を聞くとX-JAPANは常に「産みの苦しみ」と戦っていることが窺えるでしょう。

まるで1人の子を産むのに凄まじい陣痛を経験する母親のように、全てを絞り出して作っている様が面白い所です。

2位 Rusty Nail

1994年7月10日発売、10作目シングル

9位にランクインした『WEEK END』の第2章として作られた曲。

Bメロの途中に『WEEK END』のイントロ部分がそのまま入っているだけでなく、歌詞の内容も同曲から発想したものになっています。

ミドルテンポでポップス寄りのロックサウンドは、それまでのX JAPANの作風とは若干違っていたものの、バンド最多の2週連続オリコン週間チャート1位を獲得し大ヒットとなりました。

美しいメロディと歌詞の世界が素晴らしい名曲です。

直訳すると「さびた釘」という意味になり、血で染まってボロボロになった赤茶けた釘をイメージしているのでしょう。

歌詞はおそらく自殺して亡くなったYOSHIKIの父のことを改めて大人になって振り返っているような内容です。

どれだけ有名になってアーティストとして大成しても亡き父への辛い思いは決してなくなることはありません。

そんな日々強まっていきながらも忘れられない自己矛盾・葛藤を大人の視点で歌い込んでいるのです。

1位 Tears

1993年11月10日発売、9作目シングル

グループ名をXからX JAPANに改名した後の第1弾シングル

オリコン週間シングルチャートでは最高位2位だったものの(次作『Rusty Nail』で初の首位を獲得)、通算約84万枚を売り上げ、バンド最大のヒット作となりました。

この曲はYOSHIKIが、幼少の頃に自殺してしまった父親のことを想って書いたんだそうです。

アルバム『DAHLIA』に収録されている同曲には、シングル・バージョンにはなかったYOSHIKIの英語によるモノローグがラスト部分に挿入されており、彼の父親に対する想いがより伝わってきます。

切ない歌詞美しいメロディで、この曲は多くのファンに愛されています。