意地を張りながら生きるしかない毎日
進研ゼミのCMソングとして有名になった「アルル」。
新型コロナウイルスの影響でさまざまなことを制限され続けてきた学生たちのために制作された楽曲です。
何もかもが思うようにいかない生活の中で、何を信じればいいのかわからなくなってしまった……。
そんな悩める学生たちに少しでも「光」を届けたい、という想いが感じ取れます。
ゆらゆら夢の中で
届きそうな光の欠片
掴もうとして目が覚めて
眠い目で見上げた低い空
出典: アルル/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
あのまっすぐに光る何かに、もう少しのところで手が届く……というところで目が覚めてしまう主人公。
まさに、やりたいことができず歯がゆい思いを繰り返すコロナ禍の日本そのものです。
夢と現実の違い
部活で優勝する姿や、仲間と共に笑い合う文化祭、全力で挑むテスト……。
当たり前に来ると思っていたそんな未来は、淡い夢となって消えてしまいます。
実際にやってきた現実は、「自粛」が続き、友達と会うことさえ制限された毎日。
透き通るように晴れていたはずの空も、今はどんよりと重たく曇って見えます。
理解してくれる人がいなくても
なにより大事なもの
笑われた 昨日の記憶
そういう場所で負けるもんかと
今日もまた意地を張っていく
出典: アルル/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
自分が大切にしたかった「信念」も、こんな世の中では意味がないように思えてしまいます。
友達にも、「そんなの叶うはずがない」と笑われてしまったのでしょう。
どこかでその通りだと思いながら、まだ信じたい気持ちを捨てきれないでいます。
負けないように頑張りたくても、もう意地を張るしか方法がありません。
お守りにするのは「微力」な自分
「どうせ何もできないから」と現実から逃げてみても、やはり明日はやってきます。
思ったよりも日々は早く過ぎ去り、「進級」や「卒業」が待っていて……。
人生の節目に差し掛かるたびに、「このままでいいのか」と不安になってしまいます。
足早に動く現実に
焦りも不安もそりゃあるけど
無力と微力の違い お守りにして
笑われていても気にしないよ
出典: アルル/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
何もしないままでいると、本当に何も変わらない毎日を過ごすことになります。
それは、暗くて、無気力で、切なくて、いたたまれない毎日になるでしょう。
しかし、昨日よりも何か1つだけ、新しいことに挑戦してみれば……。
それはいつか、積もりに積もって大きな変化となるかもしれません。
たとえそれが周りに受け入れられなくても、チャレンジしてみることが大切なのです。
「おはよう」と新しい1日が始まる
「アルル」の主人公は聞き手である学生1人ひとりです。
聞き手の数だけ悩みがあり、聞き手の数だけ違った1日がやってきます。
中には、周りに心許せる人がいない……という場合もあるでしょう。
しかし、「自分で自分を信じること」だけは、全員に平等に与えられたチャンスなのです。
おはよう また
今日から信じて歩くからいいよ
靴紐結んだ両手を
信じたら雑音は消えるよ
出典: アルル/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
朝のあいさつでまた、新しい1日が始まります。
「おはよう」と呼びかけたのは、他でもない自分自身。
今日という日を頑張れるように、自分に向けたエールのような言葉なのです。