初期の名曲
メインボーカルはあの人
本楽曲の作詞・作曲はクリープハイプのベーシストである長谷川カオナシさんが担当。
さらに作詞作曲にとどまらず、この楽曲においてはメインボーカルを務めているのです。
普段はコーラスでボーカルの声を彩る彼。その歌唱力にも大注目!の1曲といえるでしょう。
タイトルの意味
楽曲タイトルは【火まつり】。
この言葉を聞くと多くの方が「火祭り」という表記を思い浮かべるのではないでしょうか。
世界には火・炎をメインに据えた祭事が数多く存在しています。
もともとはそういったお祭りごとを指し示すのが「火祭り」という言葉なのです。
しかしタイトルの【火まつり】は敢えて平仮名表記。
長谷川カオナシさんは本来の意味との差別化を図りたかったのかもしれません。
つまりこの楽曲で歌われているのは祭事とは違うということ。
【火まつり】が指し示すのは日常的に発生する、ただし盛り上がりはお祭りと大差ないあの出来事です。
歌詞を解説!
人々が集う目的は?
鳥鳴く山の頂の広場 人々集まっては円くなって座る
風が吹き抜ける地平線を探す 一人居なくなったら かどわかしの噂
出典: 火まつり/作詞:長谷川カオナシ 作曲:長谷川カオナシ
綴られた言葉からイメージされるのは、山の上でおこなわれるキャンプファイヤー?
しかし1行目前半ではここが山頂であると記されていますから、賑やかで楽しいイベントというわけではなさそうです。
どちらかといえば物々しい雰囲気で、厳かな空気の中おこなわれる儀式の方が近いでしょうか。
集まっているのが仲間なのか知り合いなのか、はたまた他人なのかもわかりません。
しかし目的は同じようです。みな同じ場所を探しています。
2行目最後の「かどわかし」は、一言でいってしまえば「誘拐犯」のこと。
「噂」という言葉があることから、誰か1人いなくなったところで意に介さないという意思表示にも感じられますね。
不思議な儀式
誰かが合図の笛を吹く 聴いたら宴の仕度する
円の真ん中にかかげられた生け贄 居なくなったやつによく似てる
出典: 火まつり/作詞:長谷川カオナシ 作曲:長谷川カオナシ
やはりこれは楽しいキャンプファイヤーなどではなく、何かしら儀式のようです。
1行目の「宴」、2行目の「生け贄」という言葉から怪しげな雰囲気が伝わってきますね。
集まった人々はどんな目的でこの儀式を始めるのでしょう。
その秘密はこの先の歌詞で明かされていました。
激しく燃え盛る
けれど冷え切っている
目に見えない火を囲み 意味のない言葉の矢を放ち
顔のない奴らが踊りだす その冷たい火祭りに僕も混まぜてよ
出典: 火まつり/作詞:長谷川カオナシ 作曲:長谷川カオナシ