卒業という言葉を飲み込んで、止まったままだった卒業後の夢に向かって歩き出していく様子が歌われています。
前向きな別れではあるけれど、グループから離れるのはやはり寂しいのでしょう。
最後の『真夏の全国ツアー』
あの夏の歌声 覚えていますか?
土砂降りでもいいよ またいつか…なんてね
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
この部分では乃木坂46が毎年開催している『真夏の全国ツアー』について歌われています。
つまり、2019年の夏には卒業を決意していたということでしょう。
真夏の全国ツアーは白石麻衣さんにとって、とても思い入れのあるコンサートです。
白石麻衣さんは【ガールズルール】という夏曲のセンターを任されています。
真夏の全国ツアーでも特に盛り上がる楽曲としてファンからも愛されていました。
そんな真夏の全国ツアーでは土砂降りの中で行われた公演もあります。
そんなハプニングも白石麻衣さんにとってはかけがえのない思い出なのでしょう。
最後には「また」がもう来ないことを感じさせる寂し気な詞になっています。
一人で背負った「最後」
手を取り輪になって 目を閉じた
隣で感じていた鼓動が
こんなにも近くって
こんなにも遠いなんて
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
「輪」というのは乃木坂46がコンサート前に行う円陣のことです。
まだメンバーには卒業を伝えていない段階で開催された、白石麻衣さんにとって最後の真夏の全国ツアー。
「最後」という自分だけが背負っている気持ちをメンバーと共有することはできません。
自分だけが違った心持ちでコンサートに望んでいることで、円陣のときに距離を感じてしまったのでしょう。
せめてまだあと少しだけは
あの花火が上がるまでは
あの歌を歌うまでは
笑って?
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
真夏の全国ツアーでは打ち上げ花火による演出があります。
終わりに向かうコンサートの最中、何度も泣きそうになったのでしょう。
それでも、最後の曲が終わるまでは笑顔で歌い続けようとしていたことがこの詞からわかります。
「あの歌」というのはアンコールの最後の曲である【乃木坂の詩】のことでしょう。
時計の針戻せたら
いつのどこに戻したいかな?
出逢いの日かな もっと前かな
でもいいの 今以上は無いから
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
乃木坂46での活動に後悔をしていないということが読み取れます。
過去を振り返るよりも、今を大切にする白石麻衣さんの前向きな性格が表れた詞です。
卒業後の道
振り向かないで行くけど
それはあなたのこと 好きだから
雨も降るよ 風も吹くよ
ただ、らしく 歩くよ
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
振り向かないのはグループを見捨てたからではありません。
もう自分がいなくても、グループは十分やっていけるという信頼を表わしているのでしょう。
メンバーへの深い愛情が感じられる詞です。
最後の部分では、これから先、様々な困難があっても自分らしく進んでいこうという決意が表れています。
アルバムのページ開いたまま
思い出に彷徨う
探せば探すほど浮かんでくるのは
あなたと見ていた 輝くこの景色
出典: じゃあね。/作詞:白石麻衣 作曲:浦島健太,H.Shing
思い出の中に浮かぶのは、メンバーと共に見ていたステージからの景色だということを歌っています。
サイリウムの光に埋め尽くされた景色は、アイドルだからこそ見れるものです。
そんな思い出の景色も、もう見ることができないという切なさも含まれていると思います。