乃木坂46「やさしさとは」
7thシングル「バレッタ」のカップリング曲として収録
「やさしさとは」は、2013年11月27日にリリースされたシングル「バレッタ」の通常盤に収録されているセカンドカップリング曲です。通常盤ということで、この曲のMVは制作されていません。
しかし、乃木坂46の隠れた名曲として人気があるんですよ。ミディアムテンポな曲調に切ない歌詞が混ざり合い、さらに哀愁漂うピアノの音が身体の深くに刺さる楽曲ですよね。
2015年1月にリリースされた乃木坂1stアルバムの発売記念として行った企画「1st→10thシングルカップリング人気投票」では、21位にランクインしました。
21位ってそれほどすごくないんじゃないの?とおもうかもしれませんが、MVがない楽曲はランクインするのも一苦労なんです。10枚あるシングルの内、通常盤6曲は圏外。
そんな中で、大健闘といえる数字ですね。
「やさしさとは」の選抜メンバー
センターは橋本奈々未
「やさしさとは」のセンターを務めるのは、クールビューティーな橋本奈々未です。
感情を爆発させるというよりは、物事を論理的に考えているようなイメージがある橋本奈々未は、この曲の「僕」にぴったりですよね。
自称サバサバ系という彼女ですが、見た目とは違って結構可愛い発言をしたり、号泣したりとふり幅が大きいんです。でもそれがファンの中では”ギャップ萌え”となり、人気なんですよ。
実は橋本奈々未はこの「やさしさとは」が初センター。この後は「命は美しい」の「立ち直り中」や、「太陽ノック」の「魚たちのLOVE SONG」で白石麻衣とWセンターになります。単独センターとしては、彼女の卒業シングルである「サヨナラの意味」と2曲だけなんです。
橋本奈々未がセンターをしている貴重な楽曲といえます。
2017年2月に行われた「乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE~橋本奈々未卒業コンサート~」でも、披露されました。
全員が1期生
表題曲である「バレッタ」は、センターを研究生である堀未央奈が立ったことで、話題となりました。この楽曲以降、2期生も徐々にシングル選抜へと入ってくるようになりましたが、「やさしさとは」は、全員が1期生となります。
「やさしさとは」の歌詞
それでは、聴き手によっていろんな意味をとらえることが出来る「さよならとは」の歌詞に注目していきましょう。
この曲をあなたならどう感じますか?
君がフラれた瞬間を見ていた
君が腕に抱えてた
紙袋が破れて
ラ・フランスが転がった
ふいのサヨナラなんて
心の端っこから落ちた
予測できないハプニング
出典: https://twitter.com/mw_ko/status/788815089696579584
「ラ・フランス」は西洋の梨のことですね。女の子が紙袋に入れていたラ・フランスが落ちて転がったという情景を表しています。
実はこの「ラ・フランス」は、「洋ナシ」=「用なし」と掛けられていて、”必要のない人間”という意味もあるんです。
君が付き合っていた人から「用なし」だとフラれた瞬間をみてしまった「僕」。
そして、あまりの突然のことで手元からものが落っこちてしまうくらいショックなことがうまく表現されていますよね。
一部始終を眺めてた
道のこっちで
冷静すぎたことがだめだったんだ
もっと感情的に僕が走れたら
そう バスの時間に
間に合った
出典: https://twitter.com/Nogi46lyrics/status/625180921524686848
道の先で君が男に捨てられる瞬間を全部目撃してしまった主人公の僕。
君がフラれたこと、彼氏によって傷つけられたことが分かっても、「なんで捨てたんだ」と相手に掴みかかったりすることが出来なかったようです。
”咄嗟に””気がついたら”なんてことはなく、歌詞ではただただ冷静に君を眺めるしかできない自分自身を後悔していることが感じられますね。
「バスの時間に間に合う」という表現は、「あ!バスが出る!」と気付いてすぐに走り出せば無事に目的を果たせるように、「君がフラれた!」と気付いてすぐに走り出していれば、僕にもチャンスがあったのではないかという考えではないでしょうか。
瞬発的に動き出せなかった僕は、次に動き出すタイミングが分からなくなってしまったようですね。
やさしさとは 何なんだろう?
君に駆け寄る速さか
それとも落ちた涙を
一緒に拾うことか
愛の意味とその価値を
僕は考えたけど
答えが見つからなくて
ただ歩くしかなかった
出典: https://twitter.com/sakamichicute/status/852185214797324288
そして、主人公の僕は考えるのです。
やさしさとはなんだろう?愛とはなんだろう?
この瞬間に隣に誰かがいて、僕よりも早く君に駆け寄った人は、僕よりも君にやさしいのだろうか。
肩をたたき、「大丈夫?」と同情して声をかけることがやさしさなのだろうか。
筆者は「愛=やさしさ」であり「やさしさ=思いやり」だと思います。
主人公も君のために何かしたいと心で思いながらも、何をしていいのか分からないようです。
だからこそ、今までと変わらず歩き続けるという行動をとるしかなかったということでしょう。