クリープハイプ流の受験生応援ソング
今まで、発表されてきたクリープハイプの作品の中でも 異彩を放つ楽曲、「破花」。 アルバムの中では、一曲目からのバトンをうまく 繋いでくれています。 この曲は、代々木ゼミナールのCMソングとして使われていました。 以前、高校生をターゲットに放送されているラジオ番組で 担当枠があったからこそ、出来た曲だと思います。 一般的に、”受験生応援ソング”と言えば、 ”頑張れ!”とか、”応援してます!”のような 背中を押すような励ましの言葉を沢山盛り込んでいるイメージがありますが、 「破花」には、そういうフレーズが出てきません! 余談ですが、「破花」というタイトルは、突”破”すれば”花”が咲く。 という事ではないか?と私は思いました。参考までに(笑) では、どんな言葉を使って、 受験生の背中を押しているのか、探っていってみましょう!
ノートと鉛筆と消しゴムを用い、受験への心の葛藤を描く。
先が尖ってる芯が少しずつ丸くなる
真っ白な気持ちは書いた分だけ黒くなる
【問】いつかの為の毎日に 何の意味があるんだろう
心の中の得体の知れない何かを書き出せ
【答】ずっと吸ってばかりだった だから苦しくなるんだろう
大きく深く吐き出す
出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
1番のAメロ部分です。 学生が受験問題と格闘している姿が表現されています。 ノートに対策や問題をたくさん書くと、芯が少しずつ丸くなっていく。 そして、沢山の言葉を記入することで、 ノートにも自分の頭の中にも言葉が記されていきます。 歌詞の中の【問】に対しての、私なりの解釈は、 受験を迎えるまでに、 「なんでこんなに大変な思いまでしなきゃいけなの?」 と逃げ出したくなったこともあったかもしれないけれど、 必死に勉強してきた毎日は裏切らない。 歌詞の中の【答】に対する、私なりの解釈は、 頭の中に詰め込んだ答えの数々を今、書き出すとき瞬間。 いままでの辛さとともに、大きく、 今、吐き出す。 ということになります。 答案用紙を前にしたら、敵は自身以外の誰でもありませんよね。 心の中の自分が1番の理解者であり、監督であるということを 言っているように感じます。 実際では歌わない部分、 ( 【問】と【答】というのは試験らしさを演出する為の飾りだと思われる。) にも拘りが詰まっている歌詞です。
どうして どうして どうして どうしてどうして
疑う事で何か始まる
どうして どうして どうして どうして
信じる者は足を掬われる
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか
真っ赤な花が咲くその日まで
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか
真っ赤な花が咲くその日まで
通して
出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
1番のサビの部分です。 勉強をしている人なら、抱く疑問と答え。 それを繰り返すことで、正解に近づいていくことが出来る。 同時に合格への道しるべになります。 真っさらなノートに書かれた沢山の黒い文字の数々が 線となり道となる。 サビの終盤の歌詞を読んでいると、 「その先にある目標にたどり着くまで、 書き続けなければならない過酷な毎日を乗り越えれば 合格という真っ赤な花が咲くよ!だから頑張れ!」 というように励ます周りの声と、 「ここまで真っ黒になるほど問題と向き合ってきたんだから 通してくよ!(合格させてくれ!)」 と受験生が強く祈願しているように 聴こえてきませんか?
受験生の歴史が動く瞬間(とき)
道に迷った分だけ範囲は狭くなる
後悔だらけの間違いを消した分だけ黒くなる
動き出した君の歴史
いつも今日に答えがある
動き出した君の歴史
いつも今日が答えになる
動き出した君の歴史
いつも今日が答えになるから
出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
2番Aメロ〜ラスサビ前の部分です。 受験生は、受験当日を迎えます。 今日は、人生にとって大きな出来事となる勝負の日。 会場に着き、席に座り、 合図を待つ。 試験が始まって、一度は回答したけど 間違っているんじゃないかと、 行ったり来たりする事ってよくありませんか? 多くの人が経験してきた事も歌詞に出てきます。 ラスサビのフレーズは聞いているこっちが 緊張してしまうような臨場感があります。 受験生が、一歩ずつ前に進んでいく様が イメージ出来ます。
疑うことで未来に繋がる。
どうして 声に出して
疑う事で何か始まる
どうして どうして どうして どうして
信じる者は足を掬われる
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか
真っ赤な花が咲くその日まで
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか
真っ赤な花が咲くその日まで
通して
動き出した君の歴史
動き出した君の歴史
いつも今日に答えがあるから
出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
ラスサビの部分です。 当たり前のことですが、問題というのは、 全ての疑問から答えを導き出します。 自分の答えを強く信じる。 そうすれば必ず、はなまるという真っ赤な花が咲く。 ようやくここで、応援歌っぽい盛り上がりを 見せてきてくれている気がします。 歌詞はサビの繰り返しですが、バンドサウンドが 歌を引き立てている気がします! ”今日”頑張れば、自ずと答えは見えてくるから 悔いなくいけよ! と、背中を押しているように聴こえてきます。 「破花」は、受験生に対し、 決して他人事では無く、 心の中に入り込んでサポートしてくれる 応援歌だなと思いました。 受験などの試験に於いては コーチの言葉よりも、トレーナーの言葉の方が、 身にしみるときもありますからね! 共感してくれているところが、予備校のCMソングにピッタリです!