クリープハイプ流の受験生応援ソング

クリープハイプ『世界観』アルバム全収録曲歌詞解説!②破花(はっか)の画像

今まで、発表されてきたクリープハイプの作品の中でも 異彩を放つ楽曲、「破花」。 アルバムの中では、一曲目からのバトンをうまく 繋いでくれています。 この曲は、代々木ゼミナールのCMソングとして使われていました。 以前、高校生をターゲットに放送されているラジオ番組で 担当枠があったからこそ、出来た曲だと思います。 一般的に、”受験生応援ソング”と言えば、 ”頑張れ!”とか、”応援してます!”のような 背中を押すような励ましの言葉を沢山盛り込んでいるイメージがありますが、 「破花」には、そういうフレーズが出てきません! 余談ですが、「破花」というタイトルは、突”破”すれば”花”が咲く。 という事ではないか?と私は思いました。参考までに(笑) では、どんな言葉を使って、 受験生の背中を押しているのか、探っていってみましょう!

ノートと鉛筆と消しゴムを用い、受験への心の葛藤を描く。

クリープハイプ『世界観』アルバム全収録曲歌詞解説!②破花(はっか)の画像

先が尖ってる芯が少しずつ丸くなる

真っ白な気持ちは書いた分だけ黒くなる

【問】いつかの為の毎日に 何の意味があるんだろう

心の中の得体の知れない何かを書き出せ

【答】ずっと吸ってばかりだった だから苦しくなるんだろう

大きく深く吐き出す

出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

1番のAメロ部分です。 学生が受験問題と格闘している姿が表現されています。 ノートに対策や問題をたくさん書くと、芯が少しずつ丸くなっていく。 そして、沢山の言葉を記入することで、 ノートにも自分の頭の中にも言葉が記されていきます。 歌詞の中の【問】に対しての、私なりの解釈は、 受験を迎えるまでに、 「なんでこんなに大変な思いまでしなきゃいけなの?」 と逃げ出したくなったこともあったかもしれないけれど、 必死に勉強してきた毎日は裏切らない。 歌詞の中の【答】に対する、私なりの解釈は、 頭の中に詰め込んだ答えの数々を今、書き出すとき瞬間。 いままでの辛さとともに、大きく、 今、吐き出す。 ということになります。 答案用紙を前にしたら、敵は自身以外の誰でもありませんよね。 心の中の自分が1番の理解者であり、監督であるということを 言っているように感じます。 実際では歌わない部分、 ( 【問】と【答】というのは試験らしさを演出する為の飾りだと思われる。) にも拘りが詰まっている歌詞です。

どうして どうして どうして どうしてどうして

疑う事で何か始まる

どうして どうして どうして どうして

信じる者は足を掬われる

白紙の海泳ぐ黒い線にいつか

真っ赤な花が咲くその日まで

白紙の海泳ぐ黒い線にいつか

真っ赤な花が咲くその日まで

通して

出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

1番のサビの部分です。 勉強をしている人なら、抱く疑問と答え。 それを繰り返すことで、正解に近づいていくことが出来る。 同時に合格への道しるべになります。 真っさらなノートに書かれた沢山の黒い文字の数々が 線となり道となる。 サビの終盤の歌詞を読んでいると、 「その先にある目標にたどり着くまで、 書き続けなければならない過酷な毎日を乗り越えれば 合格という真っ赤な花が咲くよ!だから頑張れ!」 というように励ます周りの声と、 「ここまで真っ黒になるほど問題と向き合ってきたんだから 通してくよ!(合格させてくれ!)」 と受験生が強く祈願しているように 聴こえてきませんか?

受験生の歴史が動く瞬間(とき)

クリープハイプ『世界観』アルバム全収録曲歌詞解説!②破花(はっか)の画像

道に迷った分だけ範囲は狭くなる

後悔だらけの間違いを消した分だけ黒くなる


動き出した君の歴史

いつも今日に答えがある

動き出した君の歴史

いつも今日が答えになる

動き出した君の歴史

いつも今日が答えになるから

出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

2番Aメロ〜ラスサビ前の部分です。 受験生は、受験当日を迎えます。 今日は、人生にとって大きな出来事となる勝負の日。 会場に着き、席に座り、 合図を待つ。 試験が始まって、一度は回答したけど 間違っているんじゃないかと、 行ったり来たりする事ってよくありませんか? 多くの人が経験してきた事も歌詞に出てきます。 ラスサビのフレーズは聞いているこっちが 緊張してしまうような臨場感があります。 受験生が、一歩ずつ前に進んでいく様が イメージ出来ます。

疑うことで未来に繋がる。

クリープハイプ『世界観』アルバム全収録曲歌詞解説!②破花(はっか)の画像

どうして 声に出して

疑う事で何か始まる

どうして どうして どうして どうして

信じる者は足を掬われる

白紙の海泳ぐ黒い線にいつか

真っ赤な花が咲くその日まで

白紙の海泳ぐ黒い線にいつか

真っ赤な花が咲くその日まで

通して

動き出した君の歴史

動き出した君の歴史

いつも今日に答えがあるから

出典: 破花/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

ラスサビの部分です。 当たり前のことですが、問題というのは、 全ての疑問から答えを導き出します。 自分の答えを強く信じる。 そうすれば必ず、はなまるという真っ赤な花が咲く。 ようやくここで、応援歌っぽい盛り上がりを 見せてきてくれている気がします。 歌詞はサビの繰り返しですが、バンドサウンドが 歌を引き立てている気がします! ”今日”頑張れば、自ずと答えは見えてくるから 悔いなくいけよ! と、背中を押しているように聴こえてきます。 「破花」は、受験生に対し、 決して他人事では無く、 心の中に入り込んでサポートしてくれる 応援歌だなと思いました。 受験などの試験に於いては コーチの言葉よりも、トレーナーの言葉の方が、 身にしみるときもありますからね! 共感してくれているところが、予備校のCMソングにピッタリです!

「破花」MV

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上から降ってくる、大量のテスト用紙に注目です!