足りないものがある2人
TVアニメ「ランウェイで笑って」のエンディングテーマ
「Ray of Light」は「Brava!! Brava!! Brava!!」と共に両A面シングルとして2020年3月11日に発売されました。
正統派バラードとアップテンポなダンスナンバーという対照的な2曲が収録されています。
初回限定盤には「Ray of Light」のミュージックビデオが収録されたDVDも付いていました。
ジェジュンの魅力を余すところなく伝えるCDとなっています。
それだけでなく、本楽曲はTVアニメ「ランウェイで笑って」のエンディングテーマとしても関心を集めました。
「ランウェイで笑って」とは、下記のような内容の少年漫画を原作としたTVアニメです。
ファッションを題材としており、ファッションデザイナーを志望する少年と、低身長ながらもトップモデルを目指す少女の姿を描く。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ランウェイで笑って
夢を諦めてしまいそう
思い描いたあの景色は
遠くに霞んで
追いかけてゆくその背中を
ただ見つめていた
出典: Ray of Light/作詞:矢作綾加 作曲:真空ホロウ
このフレーズはまさに、夢を諦めてしまいそうな本作のヒロイン・藤戸千雪の心境を表しています。
彼女は幼いころからパリコレに出ることを夢見ていました。
ですがモデルとしては低すぎる身長のために、周囲はその夢を応援してくれません。
憧れていた夢は遠ざかり、ぼやけてしまいました。
夢の舞台に立つ自分も想像できない状態でしょう。
周囲の人間が自分を追い越していき、その背中をなすすべもなく見送るしかないようです。
手放す理由を探す時もあった
それでも変わらぬ願い滲んでゆく
出典: Ray of Light/作詞:矢作綾加 作曲:真空ホロウ
いっそ夢を諦めたら楽になるだろうと、諦めるための理由まで探してしまいます。
目に涙が浮かぶため視界が滲んで、憧れていた景色も真っすぐに見ることができません。
それでも、心の真ん中にはその夢が存在し続けていました。
どうしても諦めきれないのです。
一筋の光
君だけを照らす光 いつか届くように
この道を繋いでゆこう
焦がれているあの未来へ
出典: Ray of Light/作詞:矢作綾加 作曲:真空ホロウ
タイトルになっている「Ray of Light」は「一筋の光」と訳することができます。
この「光」とは「君」の努力が実を結び、夢が叶うことを暗示しているのでしょう。
ですが同時に、アニメの内容に照らし合わせて考えると文字通り「光」を表しているとも考えられます。
「君」にだけスポットライトが当たるように、つまりパリコレの舞台でひと際輝けるようにという意味です。
「君」が憧れの舞台に行けるように自分も協力する、だから夢を諦めないでという祈りのようでもありました。
相手の夢のために協力できることがあるようです。
これは本作の主人公・都村育人と千雪の関係を彷彿とさせます。
育人は経済的な理由でデザイナーになるための進学を断念し、就職しようとしていました。
そんなときに、自分のために服を作ってほしいと千雪に頼まれたのです。
その服がきっかけで彼女は事務所に所属することができたので、千雪の夢を育人が後押しした格好になります。
彼女が夢に近づいただけでなく、デザイナーになることを諦めようとしていた育人にも転機が訪れました。
2人が互いに影響しあって夢へと邁進する状況を描写しているようです。
夢を諦めないでほしい
挫けないで
“叶わない”なんて誰もが言う
それでも信じた君を捨てないで
その瞳は輝きつづける
出典: Ray of Light/作詞:矢作綾加 作曲:真空ホロウ
周囲の人は、一見無謀ともいえる挑戦を諦めるように諭してきます。
叶うわけないと、誰もが「君」の夢に否定的でした。
そんな状況でも、夢を追っている「君」を応援してくれる人がたった1人だけいます。
その人にとって夢を追っている「君」は、誰よりも眩しく見えたのでしょう。
憧れた気持ちをなかったことにしないでほしいと、願っているのです。