「悪女」「誘惑」「横恋慕」「あの娘」という怒涛のヒットソングに続いたバラードです。
この曲がすごいのは過去曲をことごとく否定しているところ。
うらみます うらみます
あんたのこと死ぬまで
うらみます うらみます
あんたのこと死ぬまで
出典: うらみ・ます/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
Good-by Good-by
明日からひとり
どんな淋しい時でも 頼れないのね
Good-by Good-by
慣れてるわひとり
心配なんかしないで 幸せになって
出典: ひとり/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
今日、別れる相手の幸せを願っています。しかし「ほうせんか」では次のように歌っていました。
後姿のあの人に
幸せになれなんて 祈れない
いつか さすらいに耐えかねて
私をたずねて来てよ
出典: ほうせんか/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
「ひとり」も相変わらずの別れ歌ですが、うらまず、相手の幸せを思いやるようになりました。
もちろん曲ごとに世界観は異なるわけですが、達観したひとりっぷりがお見事な名曲です。
【2位】アザミ嬢のララバイ
第2位にランクインしたのは「アザミ嬢のララバイ」。
1975年のデビュー曲です。
ララバイ
ひとりで眠れない夜は
ララバイ
あたしをたずねておいて
ララバイ
ひとりで泣いてちゃみじめよ
ララバイ
今夜はどこからかけてるの
春は菜の花 秋には桔梗
そしてあたしは
いつも夜咲く アザミ
出典: アザミ嬢のララバイ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
ズンチャッチャという3拍子のワルツ。リズムは確かにララバイすなわち子守歌っぽいです。
しかし「夜咲くアザミ嬢」が寝かしつけるのは子供ではなく男性……。
夜の世界で働く女性が、男性に子守歌を聞かせてあげる……というストーリーになっています。
中島みゆきさんは当時23歳。デビューからいきなり大人っぽいコンセプトだったわけですね。
さらに男性だけではなく、女性も共感できるララバイをこれから歌っていきますよ!
眠れない夜は私の歌を聴いてね!
そんなアーティストとしての姿勢が打ち出されていたとも解釈できるのではないでしょうか。
【1位】時代
1位に輝いたのは「時代」です!
まわるまわるよ
時代はまわる
喜び悲しみくり返し
今日は別れた恋人たちも
生まれ変わってめぐりあうよ
出典: 時代/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
かろうじて「恋人たち」という言葉は登場していますが、別れ歌にしてはテーマが壮大です。
デビュー曲「アザミ嬢のララバイ」で打ち出した“夜の子守歌”というコンセプトはどこへやら。
まわるまわるよ
時代はまわる
別れと出逢いをくり返し
今日は倒れた旅人たちも
生まれ変って歩き出すよ
出典: 時代/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき