「桜色舞うころ」は本当の意味では桜ソングではない?

中島美嘉のスプリング・ラブ・バラード「桜色舞うころ」の歌詞の意味を紐解くの画像

「桜色舞うころ」と曲のタイトルに入っていながらも 「春の桜ソング」ではないというのはどういう意味なのでしょうか?

実はこの曲は「季節の移り変わり」を歌っている曲なのでした。

この曲は歌の中で、例えば「若葉色 萌ゆれば」といった 俳句の季語のような言葉を選んで使われているフレーズが何箇所か存在します。

そこで「四季折々の情景」を表現しているということなのですね。

では「春夏秋冬」一年中歌える「桜色舞うころ」の歌詞を細かく見ていきましょう。

「桜色舞うころ」の歌詞の意味

中島美嘉のスプリング・ラブ・バラード「桜色舞うころ」の歌詞の意味を紐解くの画像

桜色舞うころ
私はひとり
押さえきれぬ胸に
立ち尽くしてた

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

最初に”桜色舞うころ”というフレーズが出てくるので ここでは「春」の季節を歌っていることがわかりますね。

「桜色舞うころ」の言葉の意味としては 「桜が咲く頃」、「桜の色が見られる季節」として解釈できると思います。

その後の”私はひとり…”からのフレーズは胸をときめかせた1人の女性が いつまでもその場に立ったままの状態でいる様子です。

理由としては桜が美しさに感動して、と捉えることもできそうではありますが 曲全体として考えれば、片思いから始まった恋を意味していると思われます。

若葉色 萌ゆれば
想いあふれて
すべてを見失い
あなたへ流れた

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

ここのフレーズは季節が変わって「夏」を表してます。 そのキーワードとなるのが”若葉色 萌ゆれば”です。

夏の草木と言えば若葉色、鮮やかな黄緑色ですよね。

春に恋をして、その想いが夏にあふれている様子を歌っています。

”すべてを見失いあなたへ流れた”この解釈としては 本気で恋をしてその人しか見えなくなり、告白をしたと受け取れます。

めぐる木々たちだけが
ふたりを見ていたの
ひとところにはとどまれないと
そっとおしえながら

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

サビに入ります。

この曲の季節感は木々の様子から表現されていますので、

”めぐる木々たちだけがふたりを見ていた”という意味もわかりますよね。

四季折々姿を変える木々だけが二人の恋を知っている、そんなニュアンスでしょうか。

「ひとところにはとどまれない」の意味なのですが、

四季を通じて2人一緒にいるところを見ている木々たちが 「一つの場所には居られない」と教えているということは、 「時間が立てば二人の気持ちも変わっていってしまうものだ」と教えていることになると思います。

別れを想像してしまい少し悲しくなりますね。

中島美嘉のスプリング・ラブ・バラード「桜色舞うころ」の歌詞の意味を紐解くの画像

枯葉色 染めてく
あなたのとなり
移ろいゆく日々が
愛へと変わるの

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

春、夏、とくれば次は「秋」ですね。”枯葉色 染めてく”のフレーズですぐにピンとくるでしょう。

”あなたのとなり”とあるので、夏に告白をした恋が実ったことがわかります。

この女性が今感じているのが幸福感であり、一日一日を一緒に過ごしていけば 季節も変わっていくことと比例して恋も愛へと変わる、という意味合いがあると思います。

どうか木々たちだけは
この想いを守って
もう一度だけふたりの上で
そっと葉を揺らして

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

二番のサビでは、今までの自分達を見てきた木々たちに 2人がずっと一緒にいられますようにというこの想いを守って欲しい、

その光景からわかるのは恋がうまくいっておらず、 彼女は幸せだったあの季節のように葉っぱを揺らしてほしいと願う様子がわかります。

現在の季節は秋~冬に差し掛かるところで枯れ葉が落ちていく季節なので葉はありませんよね。

だから葉を揺らしていた季節に戻ってほしいと願っているのです。

やがて季節(とき)はふたりを
どこへ運んでゆくの
ただひとつだけ 確かな今を
そっと抱きしめていた

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子

2人の恋の行方がわからなくなっている心情が描かれています。
この恋はどうなってしまうのだろうか、そんなことを感じているのでしょう。

”ただひとつだけ確かな今”それはもしかすると彼が自分のもとから
離れていってしまった現実を肌で感じたという意味になるのかもしれません。

中島美嘉のスプリング・ラブ・バラード「桜色舞うころ」の歌詞の意味を紐解くの画像

雪化粧 まとえば
想いはぐれて
足跡も消してく
音無きいたずら

出典: 桜色舞うころ/作詞:川江美奈子 作曲:川江美奈子