「恋する凡人」初出はライブバージョン
明るくて疾走感あふれるスピッツのロックナンバー「恋する凡人」はファンの中でも人気の1曲です。
2010年に発売となったスピッツのオリジナルアルバム「とげまる」に収録され、多くの人のお耳にかかる事となりました。
実はこの曲、アルバム収録以前に、スピッツの36thシングル「つぐみ」のカップリング曲として収録されているのです。
そちらの音源は、ライブSPITZ JAMBOREE TOUR 2010で披露されたもの。
アルバムに収録されているスタジオ収録バージョンとは雰囲気が異なりますから、未聴の方はぜひ一度お聞きいただきたいと思います!
聴く人のハート鷲掴み「恋する凡人」歌詞解釈
ロックな「恋する凡人」にハートを掴まれるリスナー多数!ここでは独自の解釈を交えつつ、歌詞をご紹介します。
①恋する凡人は自分で考える
恋する凡人試されてる狂った星の上
やり方なんて習ってない自分で考える
「変わりたい」何度思ったか 妄想だけではなく
出典: 恋する凡人/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「恋する凡人」というタイトルなのですから、この曲は恋をしている人の歌でしょう。
何故かいろんなことが上手く運ばなくて「周りの人みんなおかしいんじゃない!?」って思っちゃう時、ありませんか?
私は恋より仕事の場面で思うことの方が多いのですが…恋愛でも、なにをやっても上手くいかない時ってありますよね。
それってまさに「狂った星の上」にいるような気持ちなんです。
事あるごとに"習ったことないから知りません"って言っちゃう人も、世の中にはいます。
(もちろん、学校の課題や試験なんかは習ってないと知りようもないんですけれどね)
敢えて言葉に出さなくとも"習ったことない→知らない→行動しない"という図式で生きていく人も。
恋愛の話だと、こちらの行動のほうが多いかもしれませんね。
"こっちだって習ったことない事ばっかりだよ。自分で考えてやってるんだよ"…つい、心の中で突っ込んでしまいます。
他人にそう思ってしまう分、自分にも言い聞かせているようなもの。
"自分だって良い方向へ変わりたい"
そう思っている歌詞の語り手は、ただ「妄想」するだけではなくて、いつだって良い方へ変われるように努力しているのではないでしょうか?
②恋する凡人は土砂降りの中を走る
今走るんだどしゃ降りの中を 明日が見えなくなっても
君のために何でもやる 意味なんてどうにでもなる
力ではもう止められない
出典: 恋する凡人/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「土砂降りの中」「明日が見えなくなっても」というのは、見通しの立たない困難な状況のことだと思います。
そんな中でも「君のために何でもやる」という語り手の強い決意には心を掴まれますね。
理屈なんてつけられない恋の感情が先立っているのでしょう。
行動は力ずくで制限できたとしても、人の気持ちを止めることはできないのです。
③恋する凡人はリセットボタンを押さない
そんなの凡人 思い込みで まともな星の上
おかしくなっていたのはこちら 浮き輪も失った
鏡に映る妙な男
リセットボタン使わず
出典: 恋する凡人/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
なんだかんだ喚いてあがいても、こちらは何の才能も無いただの「凡人」なんです。
案外、本当に「狂った」のは、周りよりも自分だったりすることがあります。
立っていた場所は、本当は「まともな星」だったわけです。
「浮き輪」は救命具の1種ですよね。海に漂う頼りない体をサポートしてくれる道具です。
おかしくなって、サポートも無くなって、対峙した自分は「妙な男」。
"そんな窮地に立たされても、リセットボタン使ってセーブ前に戻すような事してんじゃねぇよ!自分!"
といったところでしょうか。