アルバム「SENCE」に収録
「ロック」ではなく「ロックンロール」
今回紹介する曲はMr.Childrenの『ロックンロールは生きている』です。
2010年に発表したアルバム「SENCE」に収録されています。
この曲のテーマはタイトルにあるように「ロックンロール」。
ただし「ロック」ではなく「ロックンロール」です。
「ロック」と「ロックンロール」のあいだに、厳密な境目はありません。
ただ、ニュアンスとして「ロックンロール」と聞くと、音楽だけではなく、「ダンス(踊り)」も含まれるような気がします。
なぜならすべての「ロックンロール」は踊る音楽だからです。
さて、皆さんは「ロックンロール」と聞いて何か思い浮かぶイメージがあるでしょうか?
「ロックンロール」に対するMr.Childrenの解答
「ロックンロールは死んだ」へのアンチテーゼ
「ロックンロール」という言葉を聞いて思い浮かべるのは何でしょうか?
それは人によって千差万別だと思います。
ロックンロールの黎明期には、エルヴィス・プレスリーやビートルズに代表されるアーティストが活躍していました。
今となっては考えられませんが、彼らは「不良」、「反体制」のシンボルだったのです。
つまり「音楽そのもの」以外にも、それを取り巻くファッションや言動などが「反体制」とみられていました。
1970年代にパンクが台頭し、1990年にはブリティッシュ・ロックが隆盛を極めました。
21世紀に生きる私たちは「ロックンロール」が「不良」、「反体制」のシンボルだったとは思わないでしょう。
『ロックンロールは生きている』は、ロックバンドであるMr.Childrenが「ロック」のあり方を世間に問うた作品だと思います。
『ロックンロールは生きている』楽曲紹介
ライブバージョンで
いかがでしたでしょうか?
冒頭では世界の様々な国の民族や文化、スポーツを映した映像が流れています。
0:37秒から映るのは、テレキャスターをかき鳴らしながら歌う桜井さん。
ボーカルにエフェクトがかかっていますね。
その効果もあってか、ほかの曲より粗削りに歌っています。
1:01秒で入るドラムカウント。
バンドの演奏がはじまります。
ギターをかき鳴らす桜井さんとは対照的な田原さんが弾くスライドギター。
バンドを支える屋台骨であるベースも、良いフレーズを演奏しています。
チョーキングを多用したギターソロを弾くのは桜井さん。
まるで洋楽でも聞いているかのようなフレーズです。
派手ではないですがオルガンも入っています。
「ロックンロール」黎明期、オルガンはよく使用された楽器。
もしかしたら歌詞以外のこういった箇所にも「ロックンロール」へのオマージュがあるのかもしれませんね。
この曲の特徴は、何といっても速いテンポのボーカル。
そして、文字数が多い歌詞。
速いテンポで文字数が少ないと歌いやすいです。
しかし、速いテンポで文字数が多いとかなり歌いにくくなりますよね。
Mr.Childrenが影響を受けたであろう1960年代や1970年代の音楽の特徴も、このあたりにあります。
『ロックンロールは生きている』歌詞解説
Aメロ
レボリューション さぁ次の世界へ いまナチュラルハイで闇を蹴っ飛ばせ
ジェネレーションなんてのは関係ないぜ ほら裸になって お前だけのステップ
イマジネーションも膨らまないくらいに あまりに日常は窮屈すぎて
よだれたらして甘い飴の前で おあずけをくらったまま放置されて
サディスティックなプレイだとしたって
もう悦楽(たの)しめないくらいにただ鞭打たれて
出典: ロックンロールは生きている/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ここからは『ロックンロールは生きている』の歌詞解説をします。
この曲の主人公は特にいません。
この世に生きる人間すべてが主人公です。
Mr.Childrenからリスナーへ向けての応援歌。
それが『ロックンロールは生きている』です。
まずはAメロ。
冒頭の歌詞にある「レボリューション」とは、日本語で「革命」を意味します。
くすぶってばかりいないで、目の前の闇を破り、新たな世界へ飛び出そう。
「レボリューション」といえばビートルズの名曲にも同じタイトルがありますね。
歌詞の4行目にあるフレーズ「ジェネレーション」は「世代」という意味です。
老若男女問わず、常に新しいことにチャレンジしなよ、というメッセージでしょうか。
「ジェネレーション」で思い浮かぶ曲といえば、ザ・フーの名曲に『マイ・ジェネレーション』があります。
こういったところにもロックンロールに対してのオマージュが散見していますね。
Bメロ
ライラライラ。。。
出典: ロックンロールは生きている/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿