Aimerの「雪の降る街」とは?
「雪の降る街」は2012年2月23日に発売されたAimerの3枚目のシングル、「雪の降る街/冬のダイヤモンド」の収録曲です。
このシングルは、冬をテーマにした3曲入りのコンセプトシングル。
表題曲の他に、中島美嘉の「ORION」のカバーがアルバム『Your favorite things』から収録されています。
そんな、冬の星空を連想させるような楽曲とともに収録された「雪の降る街」には、どんな想いが込められているのでしょうか。
好きな季節としての冬、そして、寂しくなる冬
冬はAimerにとって大好きな季節。
降る雪は綺麗で、吐く息が白いのも素敵。
しかし、それと同時に、寒さから温かさが恋しくなるように、寂しさを感じるそうです。
そんな冬が好きな気持ちと、寂しくなる気持ち、どちらもを込めたのが「雪の降る街」だと以前収録アルバムの『Sleepless Nights』のインタビューで語っていました。
確かに、冬といえばイベントが多く、楽しみなことも多い反面、一人になるとそのイベントが辛くさせたり、寒さから心まで凍えそうになることもありますよね。
そんな相反する想いを、Aimerはどんな風に歌詞に込めたのでしょうか。
次はこの曲の歌詞を解釈してみます。
Aimer「雪の降る街」の歌詞を解釈
ドラマ『ゴースト 〜天国からのささやき シーズン3』前期EDであったことや、MVから、亡くなった恋人へのメッセージという歌詞の解釈の方も多いでしょう。
しかし、今回は、筆者的の独断と偏見で別の解釈をしていますので、もし、しっくり来なかったら申し訳ありません。
離れて気づいた大切なこと...冬がそれを思い知らせる
恋しくて ただ恋しくて 今 粉雪が街を包みこんだ
会えてなくなって はじめて気が付いた
大切なコト 傍にいたコト
灰色の空 冷たい風が吹き付ける
キミの呼ぶ声 聞こえる気がするのはどうして?
ため息は白んで
季節はめぐる 立ち尽くす心残したまま
出典: 雪の降る街/作詞:aimerrhythm 作曲:黒田晃太郎
雪のよく降る故郷から都会へとやってきたこの曲の主人公。
しばらく戻れる予定のない主人公は、恋人である「キミ」を想い、別れを告げてから一人やってきたのでしょう。
しかし、冬の寒さに寂しさが溢れ、「キミ」を思い出すと、故郷の雪を思い出させるかのように「粉雪が街を包みこんだ」のでした。
包み込むと表現していることから、優しく街の色を故郷の景色に変えて行くような情景だと思いますが、そんな景色が余計に故郷と愛しい人への想いを募らせたのでしょう。
「キミ」と会えてなくなってはじめて、どれだけ大切か、どれだけ長い間一緒にいたのかということに気づき、「キミ」への想いが溢れる歌詞。
風の音にさえ「キミの呼ぶ声」が混じっているように思ってしまうのでした。
振り返って一人だということをさらに思い知る主人公の姿が浮かぶようで切ないですね。
本当は「キミ」と離れたくなかったのでしょう。
別れを割り切ることができず、すぎていく季節についていけないでいる心がわかります。
元気でいると一言伝えるだけでもいいから...!「キミ」への想い
恋しくて ただ恋しくて 今 粉雪が街を包みこんだ
どうして? 生まれたての想いが
そっと手のひらで溶けてゆく
かじかんだ指 吐息で温めた
愛しく想う あのぬくもり
ひとりになって 3度目の冬が来た
伝えたいのは 「元気でいるよ」と それだけ
大切な思い出
降り積もる雪のように また景色を染めていく
出典: 雪の降る街/作詞:aimerrhythm 作曲:黒田晃太郎
「キミ」への愛おしさが手のひらの雪のように生まれては消えていくと感じてしまうのは「キミ」を愛しく思い出す自分を責めている気持ちがあるからでしょう。
あれだけお互いに悲しい想いをして別れを告げたのだから、早く忘れなければならないと思っているのです。
しかし、別れから3年が経っても変わらず恋しくて仕方がないのだから、元気かどうか伝えたいと思うことくらい許されるのではないかと思い直した主人公。
すると、故郷とは全く違う都会の景色が降り積もる雪で白く染まっていくように、自分の心が「大切な思い出」で染まっていくように感じたのでした。
粉雪がこぼれ落ちた涙をそっと包んで...そして
恋しくて ただ恋しくて 今 粉雪がナミダ包みこんだ
どうして? 突然で切なくて
そっと濡れた頬を冷やしてく
目の前に今も浮かぶ
駅のホーム キミは涙こらえながら笑ってた
あと少しだけ 切ない冬の中で
二人きり 夢見ていたかった
そうだよ この雪がやむ頃には
きっとまた歩いていけるよ
出典: 雪の降る街/作詞:aimerrhythm 作曲:黒田晃太郎