今もなお愛される名曲
メロウ感漂うグルーヴ
ファーストシングル「つつみ込むように…」が空前の大ヒット。
それにより、デビュー当初からその存在感を世に知らしめたMISIA。
「つつみ込むように…」が大ヒットを記録する最中、「陽のあたる場所」が1998年5月21日に発売されました。
キーボードをメインにしたメロウ感の漂う心地よいグルーヴ。
そして、軽やかなのにダイナミックな歌唱がクセになります。
注目すべきは、それまでの日本におけるミュージックシーンでは主流とはいえない裏拍を基調としたノリ…。
「つつみ込むように…」にもこのノリがありますね。
高い技術力とセンスを用いて、日本に新しい音楽の風を吹き込んだアーティストといえるのではないでしょうか。
その完成度の高さには、20年以上の時を経た今もなお圧倒されます。
MVをチェック
ダンスと色彩が魅力的
グルーヴ感が素敵な「陽のあたる場所」はMVもノリが良いです。
歌唱するMISIAの姿からは、リズムに身を任せる様子が読み取れます。
彼女は身体全体を使って歌っているのですね。
また、鮮やかなブルーの空や滝、木々など、色彩がとても美しく楽曲を彩っています。
所々で映し出されるダンサーのシーンも絶妙ですね。
大自然の美しさと人による意図的なパフォーマンスの美しさ…。
それが混ざり合ったオシャレなMVに仕上がっています。
離れ離れの中で不安がよぎる
ここまでサウンドに注目しましたが、ここからは本題である「歌詞」に注目していきましょう。
心地よいグルーヴに乗せられる歌は、軽やかなのに深みのある、心温まる内容となっていますよ。
悲しみの中で歌い上げる
I can sing a song for you and me forever
陽のあたる場所を見つけて
I can sing a song for you and me forever
悲しみを笑顔に変えよう
出典: 陽のあたる場所/作詞:MISIA、佐々木潤 作曲:佐々木潤
英語の部分は「あなたと私のために歌を歌い続けてみせる」という意味。
この「陽のあたる場所」は誰かと自分の関係性のための楽曲であるということではないでしょうか。
2人であるところがポイント。
一緒に生きていきたい…。
そんな深い愛情が感じ取れます。
そして2人は「悲しみ」の最中にいるようです。
明るい軽やかなサウンドは「笑顔」を求めた結果なのかもしれません。
自分の歌で2人を明るい未来へと導こうとしているでしょうか?
一途な愛情
ダッダラッタッタララって 歌っていても
パッパラッパッパララって おどけていても
流れ流されて呑まれてく 気持ちとはウラハラに
もしも 私がいなくても Oh
出典: 陽のあたる場所/作詞:MISIA、佐々木潤 作曲:佐々木潤
リズミカルで陽気な印象を感じるフレーズですね。
身体が思わず踊ってしまうようなサウンドで、歌詞でも踊っている様が描写されています。
ところが、踊っていながらも心の奥底では「2人の関係性」を考えているよう。
音楽に身を任せて楽しむのは、恋愛に身を任せて楽しむのと少し似ています。
でもここでは「あなたへの愛情は流されることなく一途」であると言いたいのではないでしょうか?
そして「私がいなくても」という言葉。
自分の知らないところで彼が何をしているのか気にしている様子も読み取れます。
こんなに思っているけど、彼が私のいないところでも同じように一途でいてくれるのか心配…。
本気で相手を好きになった時、このような不安な気持ちに駆られてしまうことがあるのではないでしょうか。