3rdアルバム「Reason of Black Color」…タイトルに込められた意味は
2018年3月14日にリリースされた雨のパレードの3rdアルバム「Reason of Black Color」。
アルバムのタイトルに込められたのは「黒の理由」。全ての色を混ぜると黒色になるということです。
これはメンバーそれぞれの中にある色をより濃く表現し合えた1枚だというところから来ているとのことですが…。
それぞれが何でもできてしまうメンバー
雨のパレードのメンバーは自分たちでそれを豪語できてしまう程、それぞれが何でもできてしまうとのこと。
これはそれぞれが非常に幅広い音楽的ルーツを持っているということですね。
といってもあらゆるジャンルに対応できるミュージシャンというのは、Youtubeなどで情報の入手が容易になった今の時代珍しくもありません。
彼らの言う「自分たちの中の色」という言葉からは、対応できるだけではなく深い理解を示しているということを感じさせられます。
深い理解を持っていて初めて、それを演奏するだけではなく、自分の色として昇華出来るものではないでしょうか。
「じゃあ何でもやっちゃえ」から作られた今作は
新しいジャンルの多くは、先人たちが作り上げたものを混ぜることで生み出されてきました。
先人たちが生み出した要素を自分のものに昇華した彼らが「じゃあ何でもやっちゃえ」と言って作ったという今作。
この作品からも、きっと今までにない斬新な音像を感じることが出来るのではないでしょうか。
自らのアー写をぐちゃぐちゃに混ぜたというアルバムジャケットが「既存のものから生み出される新しいもの」を物語っています。
タイトル曲からアルバムの世界観を垣間見る
今回はこのアルバムの中から、同タイトルのオープニング曲「Reason of Black Color」を紹介。
ごちゃ混ぜから作り出されたその世界観の一部を垣間見ていきましょう。
どうやらこの曲の歌詞にも、まさに「自分の中の色」と呼べるような表現が引っ張り出されているようですよ。
メッセージ性が重視されたものへ変わっていく歌詞
雨のパレードの初期の頃の楽曲と、最近のものでは歌詞のニュアンスも変わって来ているとヴォーカルの福永は語ります。
初期の頃に書いていたのは、自分の中に深く潜る感覚を突き詰めて書いたもの。
そして近年のものはそれよりもメッセージ性が重視されているとのこと。
より多くの人に楽曲を届けようと思うと、伝わりやすさが優先されるのは言わずもがなです。
それに対して自分の中に深く潜る感覚というのは、当人以外にはなかなかわかり辛いものですね。
このことから、これもメジャーの舞台でやっていくにあたってはごく自然な流れだと感じさせられます。
表現したいものと伝わりやすいものの葛藤は、多くのアーティストが抱えていることなのでしょうね。
歌詞にも自分の中の色が色濃く反映されている
それに対して「Reason of Black Color」の歌詞ではその二つのバランスが上手く取れたと、納得のいく様子を覗かせる福永。
自分の中に深く潜るという、一見伝わり辛い感覚をより伝わりやすく表現されたものがそこには描かれているのではないでしょうか。
そんな自分の中の色が色濃く反映されたこの曲は、アルバムのコンセプトを物語っているかのよう。
これぞタイトル曲と言わんばかりですね。
「Reason of Black Color」はどんな曲?
自分の奥深くを表したようなサウンド
深く歪みの掛かったシンセのサウンドはまるで異空間を表しているかのよう。
打ち込みのように無機質でいて生命感もしっかりと感じさせるドラムは、その異空間の中に何かが息づいているそんな印象。
その中で虚ろに歌われる福永の歌は曖昧でフワフワとした、まさに自分の奥深くにトリップしているかのような感覚に導いてくれます。
途中聴かせるジャックからイヤフォンが抜けかけたときのような音が遠くなる演出も、意識が遠のくようなその感覚を表しているかのようです。