「ラフレシア」に飲み込まれる前に
SEKAI NO OWARIの楽曲「ラフレシア」、この曲は中々の曲者です。
甘いスイーツの名前なども出てきますが中身は甘くなんかはありません。
早く助けに行かなくては…そんな内容です。
では何処に助けにいけばよいのでしょうか?
それにはこの曲がどの時代を想定して作られたのかを考えてみることです。
それにはまずこの楽曲の前奏を含むアレンジに注目しましょう。
セカオワらしい古い時代の映画を観ているような世界に引き込まれます。
日本でも太平洋戦争を挟む「ダンスホール」が流行った時期がありました。
1933年(昭和8年)頃から1945年(昭和25年)の頃です。
あるいは祭りの夜などにみられた「見世物小屋」を連想させる時期。
これは子供を興行に出すことも出来た1942年頃までが賑わいを見せていました。
そのようなわけで日本の敗戦前後1930年代後半から1940年代前半頃の時代へ行ってみたいと思います。
それではタイムトリップしながら歌の世界を覗いてみましょう!
くれぐれも「ラフレシア」に飲み込まれないようにお気を付けください。
「ラフレシア」歌詞考察
罠にはまった理由
甘い匂いで誘い込んで
気付いたら麻痺してる
毎日 毎日働かせて
考えるヒマを与えない
出典: ラフレシア/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
早速何処かわからない世界に踏み込んでしまっています。
ここはいったいどこでしょう。
日本からは遥か離れた戦地でしょうか?
何かの「誘惑」によって引き寄せられたのかもしれません。
それとも自ら志願して?
とにかく何かの罠にはまってしまったことは確かのようです。
連行されてしまったのかもしれません。
ではこうなってしまうまでにいったい何があったのでしょうか。
ここでいったん「日本」に戻ります。
当時の日本で行われていたことは…。
国民一丸(いちがん)となって戦うことを教えられます。
そしてそのために必要だったことは感覚を麻痺させるほどの教育です。
国に忠誠を誓うことが、立派な人間になることだと信じさせました。
正義は一つと教えられ、なにも疑うことなく戦地に向かったのでしょうか。
たったひとつしかない自分の命さえ国のために捧げます。
国民は騙され、すでに罠にかかっていたのです。
そして気がつくとこの場所に辿り着いていました。
気がついたときはもう遅い
「右にならえ
耳をふさげ
生きている意味なんか考えるなよ」
「前にならえ
目をつぶれ
考えるから苦しくなるんだ」
出典: ラフレシア/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
太平洋戦争の時代、日本は気が遠くなりそうな程の作戦を繰り返していました。
そのうちの何処かで捕まってしまったのかもしれません。
どうやら逃げることのできない場所にいるようです。
もう人間としての自由はありません。
視覚も聴覚も、思考力やすべてがおかしくなってしまいます。
考える力を持つ人間としての尊厳を奪おうとしているのです。
もう考えることができなくなってしまうところまで、追い込もうとしていますね。
ここで負けて日本に帰ったとしてもやはり自由はありません。
攻撃手が日本の指導者に変わるだけです。
逃げることより楽なこと
ラフレシアのように誘い込み
アナコンダのように絡みつく
逃げ出す勇気もないからさ
イッちまった方が楽なんだろ?
出典: ラフレシア/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
もう極限状態のようですね。
疲れすぎると頭の中であらゆることがストップしてしまいます。
「楽になりたい」は危ない考えです。
意識は妄想の中を泳ぎます。
ここで「ラフレシア」の花が登場します。
「ラフレシア」は世界一の大きな花ですので、人間さえも食べてしまいそうです!
東南アジアに分布するこの花は毒々しい赤い色と形で不気味な存在感があります。
さらに異臭を放ち獲物を捕らえるそうです。
この花園に迷い込んでしまったら、もう囚われの身ですね。
「アナコンダ」はこれも世界一の大蛇で5m以上あるとかないとか。
スリランカに生息するニシキヘビの一種だそうです。
締め付けられ捕まってしまうともう逃げられません!
ファンタジーとしては面白いかもしれませんが、強い強迫観念だとすると放ってはおけませんね。
救うための何か良い方法はあるのでしょうか?
奪われた自由の矛先
なんでもかんでも監視されてる
僕らの自由は奪われた
□□□□□□□□□□□もヤッてみたいし
□□□□□□□□□□をぶっかけたいな
出典: ラフレシア/作詞:Fukase 作曲:Nakajin