私はこの曲を初めて聞いたとき、思春期だったころに感じていた閉塞感を思い出し、胸が締めつけられました。
中学生や高校生のころは、自分がこの先どうなっていくのか、何をしたいのかも分からない。
恋愛についても、片思いの相手と毎日のように顔を合わせるけれど、気持ちが伝えられないこともある。
でも自分の好きな人と一緒なら、それだけで満足、それ以外はいらないと思いつめてしまう。
そんな狭い世界の中に閉じこもった感覚を持っている人が周りにも多かったように思います。
信じていたのに
生活の偽造 いつも通り 通り過ぎて
1回言った「わかった。」戻らない
確信犯でしょ?
出典: 秒針を噛む/作詞:ACAね 作曲:ACAね×ぬゆり
自分と世界を共有していると思った相手が、実はそうではなかった。
でも、裏切られたとは思いたくない。
揺れながら相手の気持ちを探る感じがします。
相手の「わかった。」という言葉も素直に受け取れなくて、嘘にしか聞こえない。
でも「悪いことをしているとは思っていない」(=確信犯)ところがもどかしい。
出だしの部分は、そのように感じました。
思考のループを壊したい
灰に潜り 秒針を噛み
白昼夢の中で ガンガン砕いた
でも壊れない 止まってくれない
「本当」を知らないまま 進むのさ
出典: 秒針を噛む/作詞:ACAね 作曲:ACAね×ぬゆり
「相手を信じたい」→「信じられない」→「でも信じたい」というように回り続けて、どんどん息苦しくなります。
その様子が「灰に潜り」だと思います。
その中でループする思いを壊して進みたいけれど、壊すことができないまま時間が進んでいく。
この思考のループが頭の中をめぐってグルグルする様子は、ピアノのアルペジオでも表現されています。
でも信じることしかできない
誰のせいでも ないこと
誰かのせいに したくて
「僕って いるのかな?」
本当は わかってるんだ
見放されても 信じてしまうよ
出典: 秒針を噛む/作詞:ACAね 作曲:ACAね×ぬゆり
自分で納得できないことを誰かのせいにしたい。
相手の中に自分がいるのかどうか知りたい。
でも本当は誰のせいでもないし、自分は相手の心にはいないということは分かっている。
それでも、相手の心を信じずにはいられないもどかしさを感じます。
ハレタ レイラ?
救いきれない 嘘はいらないから
ハレタ レイラ
出典: 秒針を噛む/作詞:ACAね 作曲:ACAね×ぬゆり
すみません、この最後の「ハレタ レイラ」の意味は分かりません。
いろいろと調べました。
またいろんな方の解釈も読みましたが、どれも正直スッキリしませんでした。
「ハレタ」は「晴れた」なのか「腫れた」なのか、それとも外国語なのかも不明です。
「レイラ」も「愛しい人」という意味とか、アラビア語で「夜」とか、いろいろありましたが不明です。
この「ハレタ レイラ」が解読できたときに、「秒針を噛む」の歌詞をきちんと理解できるのかもしれません。
歌詞の全文はACAねさんのpiaproのページで公開されています。
オフボーカルの音源も一緒に公開されていますので、ぜひ歌ってみてください。
piapro(ピアプロ)|テキスト「ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』歌詞」
piapro(ピアプロ)|テキスト「ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』歌詞」