You are the one
もし生まれ変わっても
君に出会いたい
あの日と同じ気持ちで
もう一度 My love
会えますように
また笑ってほしいから
変わらないでほしいから
君がくれた かけがえない
All the time
忘れない これからも宝物
Everlasting shining days

出典: You are the one/作詞:Kana Nishino 作曲:ViVi

いよいよ最後のラインです。

お気付きのとおりにリフレインになっています。

繰り返しになるのですが最後ですから改めて見ていきましょう。

青春をともに過ごした人との想い出はいつまでも心に残り続けます。

特にその人が幸せそうに笑っている表情は忘れようがありません。

ただ、そこから先に復縁を望む人は少ないでしょう。

それぞれの想い出を大切に懐きつつ新しい愛を探してゆきます。

「You are the one」の語り手はこうした行動には出ないです。

いつまでも変わらない愛を追い求め続けます。

普通の人にはできないであろうこうした姿勢を美しいものとして提出するのがこの楽曲です。

追憶の中でその相手はいつまでも年若いままの姿をしています。

現実では歳を経てそれなりに大人になってゆくのですが、語り手は追憶の「君」との会話を続けるのです。

こうした前提の中では確かに青春の日々はいつまでも美しいまま記憶に残るでしょう。

語り手は追憶との会話の中で今の日々を消化してしまいます。

多くの人はそこに無理を感じてこうした過去との対話をやめてしまうのです。

しかし「君」の魅力は語り手を追憶の中に幽閉するだけの特別な力があるのでしょう。

この歌を自分のための歌と感じる人もいれば、ああ、語り手のような友人がいるなと思う人もいるはずです。

愛についてどう生きるかは私たちひとりひとりの自由に委ねられます。

どんな愛であっても自分なりの愛のやり方を貫いて構わないのです。

しかしそうした原則を「世間の目」によって私たちは歪めたり自粛したりしているのかもしれません。

語り手のように青春の日の運命の人をいつまでも想い続けるには勇気がいるのです。

いつまでも過去の恋愛にしがみつかないでと諭す人が周囲にいるはず。

You are the one

語り手は周囲の声など気にせずに自分なりの愛し方を貫いて「the one」に想いを寄せます。

これ以上の人にはめぐりあえないだろうという想いを滲ませながら愛を貫くのです。

永遠の愛は今、この時点では片思いになっています。

諦めない限りいつまでも続けられる愛が片思いです。

語り手をここまで魅了する「君」の笑顔の美しさ。

色褪せない想い出の中で生き続ける「君」。

いつの日か語り手と「君」が現実に出会い愛を確かめられることを祈ります。

語り手に明るい未来が待っていないとしたらこの歌は実はかなり残酷になってしまうのです。

それでも西野カナは語り手の姿勢を肯定します。

なぜでしょうか。

彼女はおそらく愛というものの永続性そのものに価値を見出しているのです。

語り手の諦めない姿勢に共感したいと西野カナはこの曲をシェアしました。

いつまでも永続する愛こそ本物だと信じたいのでしょう。

刹那な愛、ジャンクな愛へのアンチテーゼによって裏書きされた歌詞を彼女は書きました。

西野カナのこの想いを汲めたら本当の愛が分かるのかもしれません。

ここに私たちリスナーへの問いかけのようなものを見出します。

少しでも自分のこととしてこの恋を愛の永続性を感じてみてください。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEと西野カナの軌跡

OTOKAKEには西野カナの関連記事がたくさんあります。

中でもこの記事の「You are the one」と同時期の作品をご消化いたしましょう。

love & smile

愛と笑顔が等価として結ばれる歌詞が素敵です。

この曲の歌詞を徹底解説いたしました。

アルバム「to LOVE」収録曲です。

ぜひご覧ください。

西野カナが2010年に発表した「love & smile」は健気に生きる主人公を後押しする愛の存在を描きました。どんなに辛いときでも笑って過ごせるのはパートナーの愛のおかげです。この歌詞の魅力を徹底解説いたします。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね