以上が1st Verseの歌詞です。
今回初めて自分で書き出してみましたが、「たったこれだけ?」と思うくらい短い。こんなに短かったっけ?
シンプルな言葉の羅列で、どれだけ多くのイメージを物語っているのか!と驚かされました。
聴いていると、おそらく誰の学生時代にもあっただろう「友達と過ごした楽しい時間」、「孤独」、「切ない思い出」などが思い出されてきます。
誰でも共有できる思い出のイメージばかりではなく、「涙のチャペル」というワードも。
このチャペルとはどう考えても、サザンのメンバーが在籍していた青山学院大学の構内にあるキリスト教の礼拝堂を指すわけで…。
その「チャペル(結婚式を連想させる)」で「涙」とはどういう事なのか?桑田さんの大学時代にどんな出来事があったのか?と勘ぐらせたりもします。
このへんの「押し」と「引き」のバランス感覚も絶妙です。
「わかる」感じと「わからない」感じで「伝わる」
Sugar,Sugar Ya Ya petit choux
美しすぎるほど
Pleasure, Pleasure la la voulez vous
忘られぬ日々よ
出典: Ya Ya(あの時代を忘れない) 作詞:桑田佳祐/作曲:桑田佳祐
次はサビ。英語の「Sugar(砂糖)」とフランス語の「petit choux(直訳で小さいキャベツ)」はともに「可愛い人、愛しい人」を指す言葉です。「Ya」は英語の古語で「You」。
「voulez vous」は(無理やり片仮名で書くと)ヴ・レ・ヴと発音でき、英語でいうなら「want (you) to…」に該当します。
過ぎ去りし美しい日々と大好きだった人への想いを綴ったワードが必殺のメロディーと相まって、嫌でも切ない思いにさせますね。
フランス語の引用は(普通の日本人には調べなければ意味のわからない言葉ではありますが)メロディーと歌唱の美しさによって「なんだかわからないけれど切ない」気持ちになります。
2nd verseの歌詞はこう。
たがいにGuitar 鳴らすだけで
わかりあえてた 奴もいたよ
戻れるなら In my life again
目に浮かぶのは Better Days
とびきり素敵な恋などもしたと思う
帰らぬ思い出 Time goes by
出典: Ya Ya(あの時代を忘れない) 作詞:桑田佳祐/作曲:桑田佳祐
「Better Days」とは桑田さんが在籍していた音楽サークルの名前なのだそう。
楽しかった日々の情景を描写する言葉、その時代を懐かしむ言葉が続きます。
「個人的な思い出」を歌いながらも、決して具体的に説明しすぎないことによって「誰にでも共有できる思い出の歌になる」。
この感覚、さすがというしかないですね。
冒頭のシングルジャケットの話題に戻ると、確かに注射されている女の子のイラストは「歌の中身と関係ないじゃん」と思わせます。
がしかし、何度も曲を聴いていると「子供の頃にあった鮮烈な出来事」、「いつまでも忘れられない(痛い)思い出」を意味しているのかな?と思えてきます。
意外なイメージで興味を引き、なんでこの絵なのか「わからない」のに、ある時突然「わかった!」感じにさせる。
これぞ文字どおり名ジャケットの鑑(かがみ)だと、今では思っています(手のひらを返したように)。
いまや国民的名曲
バンドにとってもファンにとっても
この「Ya Ya」はサザンにとって最大級のヒット曲にはなりませんでした(オリコンチャートの最高位は10位)。
しかし桑田さん本人にとって強い思い入れのある曲であることは明白で、ライブではエンディングに演奏されることが多かったそう。
2008年のバンド活動休止宣言前の最後のライブでも、やはりエンディングに披露されたそうです。
(その後2013年に活動再開、新作発表とツアーを行っています)。
デビュー40周年、高まる期待
さて今年(2018年)、6月25日でサザンはデビュー40周年を迎えます。
そうなると、一時的でもいいから活動再開を期待するのがファン心理というもの。
本稿執筆時の4月初旬時点で、公式サイトでも未だ活動再開に関するアナウンスはありませんが、ワンチャンあってほしい。
2013年のアルバム「葡萄」も良かったし。桑田さんはソロでずっと活動してるわけだし。 あと2ヶ月、何か起こって!
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