ポルノグラフィティの【カルマの坂】はこんな曲
2004年にリリースされたアルバムに収録
今回ご紹介する【カルマの坂】は、2004年にリリースされたアルバムに収録されています。
2004年といえばポルノグラフィティの名曲【メリッサ】がGD大賞ソング・オブ・ザ・イヤーを受賞。
さらにはギターのTamaが脱退するなど、彼らにとって激動の年でした。
そんな中でリリースされたアルバムに収録された【カルマの坂】。
現代の人権問題や社会情勢を彷彿とさせる内容に、胸が痛むような1曲になっています。
悲しい定めを生きるしかない物語に出てくる少年を通して、私たちにどんなメッセージを届けてくれているのでしょうか。
歌詞の内容を徹底解説していきますので、是非最後までご覧ください。
収録アルバム『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』とは
ポルノグラフィティ初のベストアルバム!
【カルマの坂】が収録されているのは『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』というベストアルバム。
2004年7月28日に『PORNO GRAFFITTI BEST RED'S』とともに同時リリースされた大作です。
Tama脱退直後にリリースされたため複雑な胸中だったファンも多かったと思います。
しかし彼らにとってはデビュー5周年の記念アルバムでもあり、節目を迎えた集大成ともいえるでしょう。
『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』は全13曲で構成され、【カルマの坂】は11曲目に収録されています。
収録曲一覧
1.アポロ
2.サボテン
3.オレ、天使
4.アゲハ蝶
5.ラビュー・ラビュー
6.音のない森
7.渦
8.ヒトリノ夜
9.ハート
10.パレット
11.カルマの坂
12.メリッサ
13.まほろば○△
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S#収録曲
カルマとは何を意味する?
一般的に「カルマ」の日本語での意味は「業(ごう)」です。
「カルマ」はインドの言葉であり、サンスクリット語では行為そのものや宿命という意味。
因果応報や輪廻転生の意味で使われ、私たちの業が全ての運命を決める元になるとされています。
そんな「カルマ」をタイトルに付けた意味が気になりますね。
この「カルマ」の意味がどのように歌詞の中で表現されているのでしょうか。
それとも、また別の意味があるのでしょうか。
次の章では【カルマの坂】の歌詞を徹底解説してみたいと思います。
歌詞に込められたメッセージを紐解く
物語のはじまり
ある時代ある場所、乱れた世の片隅
少年は生きるため、盗みを覚えていった。
醜く太った大人達などには
決して追いつけはしない風のように
今、空腹を満たすのがすべて
是も非も超え、ただ走る。
出典: カルマの坂/作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma
【カルマの坂】は始まりから最後まで物語調で書かれているのが特徴的。
まるでこんな小説があるのではないかと思うくらいストーリーの世界観がしっかりと構成されています。
始まりのAメロ部分から登場する「少年」が【カルマの坂】の主人公です。
物語を読む目線で進む描写が新鮮で、主人公の生い立ちが苦しい程のインパクトを与えます。
たとえば1行目の表現からは、現代を生きる少年のことではないということがわかるのではないでしょうか。
現代であったとしても、私たちが暮らしている身近ではなく、例えばスラム街のような治安の悪い場所。
そして貧困で、子供でさえ自分の力で生き永らえなければいけない時代背景のようです。
また、3行目で表現されている大人達から、貧困の差が激しいことも容易に想像できます。
そして主人公である「少年」は空腹で、生きるために盗みなどをはたらいているのです。
ただひたすら生きるために、非行に走るしかない厳しい環境で、幸せには程遠い人生を生きています。