主人公は神様に対して、ひとつめの質問を投げかけます。
「神様が人間を作る時に気をつけていること」について聞く主人公。
しかし、神様が回答をいう前に「あるわけないか」と決めつけていますね。
なぜ、主人公はこんな決めつけたような物言いをしたのでしょうか。
それは恐らく、主人公が劣等感を抱えているからではないかと推測できます。
「もし、一人一人のことをちゃんと考えながら人間を作っているのであれば、自分のようなダメな人間は生まれないはず」
そう思っているから、このような台詞が出てくるのだと思います。
もし、主人公が劣等感を抱えていなくて、自分自身のことが好きだったら、感謝の気持ちが出てくるはずです。
感謝すべき相手(神様)に対して、答えも聞かずに勝手に回答を決めつけるなんていう失礼な行動もとらないでしょうからね。
主人公が感じている孤独
ロンリネス そう僕ら ロンリネス
じゃあ胸の痛みでも交換しようよ 不適合?わお
どんなに身を溶かしても 境界線は鮮やかに
出典: ロンリネス/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
ロンリネスとは、孤独や寂しさを表す単語です。
ここの部分では、主人公が抱えている孤独について歌われていることが分かります。
主人公だけでなく、この世の中の人間はみんな結局のところ、孤独なのだと主張する主人公。
それぞれが抱えている苦しい思いや悲しい思い(=胸の痛み)を分かち合うことは無理だと思っているようです。
そして、どんなに身を溶かすような熱い恋をしたとしても、相手との間にはいつだって境界線がある…。
「心の底から誰かとひとつになることは不可能なのだ」という悟りを開いていることが読み取れます。
劣等感を抱えながら長年生きてきた主人公は、きっと他人には理解されにくい苦しいこともたくさん経験したのでしょう。
だから、このような考え方をするようになったのではないかと推測できます。
2番~ラストの歌詞
完璧な人間について知りたいと思っている主人公
待望の新作のお話のその前に
ぶちまけた話最高傑作はどこのどいつですか?
出典: ロンリネス/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
主人公は神様に対して、さらにツッコんだ質問をします。
今まで作ってきた人間の中で、神様が一番最高だと感じる人間は誰なのかを聞き出そうとしているようです。
劣等感を抱えているからこそ、自分とは正反対の「完璧な人間」の存在がとても気になるのでしょう。
「神様が満足するくらいの完璧さを持つ人間は、一体どのような特徴をもっているのか」
「どのような人間になれば、自分も認めてもらえるようになるのか」
そんなことを考えているから、このような質問が出てくるのだと推測できます。
「新作」って誰のこと?
失礼いたしました 気をとり直しまして
先週リリースとなりました新作のお話に
出典: ロンリネス/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
ここで、主人公は自分の失言に気付き、我にかえります。
そして、ようやくインタビューの本題である新作(=先週生まれた人間)について質問を開始します。
「先週」と限定しているため、もしかしたら主人公はこの「新作」の人間のことをよく知る人物なのかもしれませんね。
先週生まれたばかりの特定の「ある赤ちゃん」のことを指して聞いているようにも読み取れます。
自分の家族や親戚の赤ちゃんのことを指して聞いている可能性も考えられますね。
主人公が「新作」を気にする理由とは?
今作にあって1番のポイントはどこですか?
伝えたいメッセージは
ねぇメッセージは?
出典: ロンリネス/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
ひとまず「新作=主人公の身の回りにいる特定の赤ちゃん」という設定で、解釈をしていきましょう。
神様がその赤ちゃんに向けて、どのような思いを抱いているのか、とても気になっている主人公。
もしかしたら、主人公は生まれてきた赤ちゃんと自分のことを比較しているのかもしれませんね。
自分が生まれた時よりも恵まれた環境で育っている赤ちゃんのことを妬んでいる可能性も考えられます。
反対に、自分よりも悲惨な環境で育っている赤ちゃんのことを見て、哀れんでいるといった見方もできますね。
何はともあれ、主人公にとってこの「新作」はかなり気になる存在であることに間違いはないようです。
個性がバラバラだから…
ロンリネス そう僕ら ロンリネス
裸で抱き合ってればひとつになれるかい
素敵?どう?どう?
こんがり身を焦がすほど 繋ぎ目は浮き彫りに
出典: ロンリネス/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
赤ちゃんができる方法はひとつしかないのに、生まれてくる赤ちゃんの個性はみんなバラバラ。
「だから自分のような卑屈な人間が生まれてしまい、孤独を感じることになるんだ!」と訴えているように感じられます。
どんなに誰かと愛し合ったとしても、結局は繋ぎ目(相手との壁)が見えてしまうから、孤独を拭うことができない…。
主人公はそんな感情を抱いているようです。