Superflyの「Beautiful」は製作体制の大幅な変化の中で、葛藤しながら生まれた楽曲

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Beautiful』と言えば、2015年のNHK紅白歌合戦にて、Superfly初出場するきっかけとなった曲。この出場をきっかけに、Superflyは音楽ファンだけでなく、老若男女問わず幅白くお茶の間に知られていくことになります。

しかし、Superfly越智志帆さんにとって、この曲を生み出すことは容易ではありませんでした。

パワフルなボーカルとカッコイイロックで魅せてきたSuperflyの音楽性

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これまでSuperflyの音楽と言えば、ボーカルの越智志帆さんが作詞を担当し、ギタリストである多保 孝一さんが作曲、そして蔦谷好位置さんが編曲する3人体制が定番スタイルでした。

お互いの得意分野を生かしつつ、役割に専念することでSuperflyらしい音楽性の追求が出来ていたのです。

しかし、ボーカルの越智志帆さんは、これからさらにポジティブで素晴らしいオーラの曲を発表していくためには、これまでのやり方では難しいと感じ始めていました。

3人の関係性は、仲間でありつつもお互いにライバルとして意識している部分があり、今後新たな方向性の曲を生み出していくには、さらにお互いの関係性を変化させる必要があると考えていたのです。

このため、彼女はこれからの新たなSuperflyの音楽を追求していこうと、決断を下すことになります。なんでも話し合えるような仲間として距離を縮めることができないのなら、一度距離を置いてみようと。

こうして、長い間Superflyのロックの記号性を担ってきた多保 孝一さんがいったんSuperflyから離れることになったのです。

力強いロックを奏でる多保 孝一さんのメロディーを世界に広めていくことが自分の使命とまで感じていた彼女にとって、この決断は非常に大きなものでした。

その結果、彼女は多保 孝一さんに頼ることなく音楽活動をしていかざるを得なくなり、初めてプレッシャーを感じるようになってしまったのです。 

「Beautiful」は越智志帆さん自身が作曲に関わり作詞した楽曲

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 以上のような大幅な体制変化の中でしたが、彼女は精力的にアルバムを制作していくことになります。

このため「Beautiful」が収録されたアルバムWHITE」には、越智志帆さんや蔦谷好位置さんだけでなく、Tomoya.Sや、Bonnie McKeeChris Cesterなどさまざまなミュージシャンが作曲に参加しているのです。

このように個性豊かなミュージシャンに刺激を受けていくうち、彼女の中にあった迷いもふっきれてアルバム制作の最後に出来上がった曲が「Beautiful」でした。

越智志帆さん自身、過去のインタビューでも「アルバムを象徴する曲に仕上がった」とコメントしています。

彼女が1年かけて試行錯誤していく中、新たなSuperflyを築き上げられたと実感できた瞬間でした。

 

「Beautiful」で描かれる歌詞のメッセージは強い自己肯定感

以上のような葛藤を乗り越えて作り上げられた「Beautiful」には、今の自分の生き方に悩みながらも、自分を肯定し、前を向いて生きていこうという強い決意が込められています。 

歌詞の込められた深い意味についてご紹介していきましょう。

イントロは涙を宝石に例える美しい表現が印象的

遠くに伸びる影 夜の波が消した
涙を流したなんて 気づかれないまま

心を捨てるなら 傷付く方がマシさ
冷たい風を切って 逃げるように走る

いつかこの雫は 宝石になるのでしょう
美しい心に 生まれ変わる
そう信じて

出典: https://twitter.com/superfly02251/status/870665573016805377

きっとなにか辛いことや落ち込むことがあったのでしょう。でもその感情は人には見せず、心の奥底にそっとしまい込みます。 

だから誰もまさか自分が涙を流したなんて気が付きません。それでも自分の心を捨てて生きるくらいなら、自分が傷つく生き方を選んで生きたいと自分の気持ちを語っています。 

そして、願うならば自分が流した涙は無駄にしたくない、今は泣くことがあっても未来の自分はもっと美しい心になると信じます。

最初のサビ部分のフレーズが心に突き刺さる

世界で一つの 輝く光になれ
私でいい 私を信じてゆくのさ
遠回りしても 守るべき道を行け
私でいい 私の歩幅で生きてくのさ

出典: https://twitter.com/Superfly_8810/status/898036288804093952

そして駆け上がるようなメロディーに伸びやかに広がるボーカル。このサビ部分で彼女は次のように歌いあげます。 

(今は違うけど)いつか世界でひとつの輝く光になろう。そしてその存在は、もちろん私自身。 

たとえ一見遠回りして見える道のりでも、自分の守りたいと思う道を突き進もう。自分らしくて良い。自分の歩幅に歩いていけば良いのだと。

 日常生活の中では、思い通りにならずに悔しい思いをするときもあります。そんなとき、注目を集めている友達や先輩が羨ましく見えるときもあるでしょう。 

そして不器用な自分、かっこ悪い自分を全部否定して、憧れの人みたいに自分を作り変えないといけないと思ってしまいがちです。

でも、Superflyは違います。かっこ悪くても、みっともなくても良い。自分の守るべき道を自分のペースで歩けば良いんだと応援してくれているのです。

ここで明かされる 涙の訳と苦しい胸の内