666(TRIPLE SICK'S)
メジャーデビューしてから初となるニューEP「666」。そして収録されている最新曲について触れていきましょう!
メジャー入りして初のEP
今回紹介する「メリーバッドエンド」は、ヒステリックパニックが今年5月2日にリリースした最新CD「666」に収録されているナンバーです。「666」は、2013年7月に出した1stEP「4U」以来、約5年ぶりのEPの発表となります。
不穏さのあるタイトル「666」…。一見、「オーメンか?なんか不吉だなオイ。」と思うかもしれませんがご安心あれ。
これは彼らが2012年の結成から“6”年目を迎えたこと、そしてメジャー入りしてから出す“6”枚目の作品だということに由来しています。
あと一個の“6”が抜けてる?もちろん分かっておりますとも。
リリースした日付、2018年5月2日を分解して左から足していくと18(666の合計)になります。これで見事「666」の完成なのです。
また読み方も「SIX」ではなく「SICK'S(病気)」とする辺りが、過激さに定評のあるヒステリックパニックらしさと言えます(笑)。
それにしても上手いこと“6”にまつわる要素を詰め込んだものですね。
曲の疾走感や、ゾクっと全身に響き渡るポップ&ヘヴィなサウンドが楽しめる今作。さらなる進化を遂げたヒステリックパニックのEPを是非ともお聞きくだされ…。
承認欲求型ラブソング「Love it!」も見逃せない
「メリーバッドエンド」と共に「666」に収録されている最新曲「Love it!」。
2014年のインディーズ時代にリリースした「憂&哀」のMVに登場した“ウサギの着ぐるみ”が再登場!お久しぶりです(笑)。
タイトルも「Love it!」と「ラビット」をかけた言葉遊びになっていますね。ユーモアのセンスも相変わらずです。
曲の内容も、「寂しいと死んでしまう」でお馴染みのウサギの習性をなぞった恋愛ソング。キャッチーで激しさのある曲調は、聴くだけでノリノリになれちゃうこと間違いなし。
こちらもヒステリックパニックファンなら抑えるべき一曲です!
メリーバッドエンドについて
お馴染みのダークな世界観
彼らの持ち味である狂気的な世界観そのままに、強烈な執着“共依存”をテーマにしたメンヘラ感全開の歌詞に空間を切り裂くようなサウンドが鳴り響く「メリーバッドエンド」。
上手くいかない恋に悩んでいる人には突き刺さる攻撃力の高いフレーズ、それに加えてノリの良い演奏になっていて、聴くだけでヒスパニワールドに引き込まれます。
今までリリースした楽曲の中で最速のテンポを誇る「メリーバッドエンド」は、最初から最後まで抜群の疾走感を魅せ、デスメタル系のテイストを余すことなく踏襲。
息つく暇もない程ガンガン攻めていく挑戦的なサウンド、それでいてハードコアな内容。
ヒステリックパニックを語る上でこの曲は欠かせない。まさにBESTな仕上がりになっています!
MVをチェック!
官能的すぎる映像!
廃墟をステージに耳をつんざくようなサウンドを奏でる今回のMV。
時代に取り残されたような荒廃したフィールドに鳴り響く超絶デスボイス、アグレッシブなギターリフにドラム。追い打ちをかけるような重々しいベースの音色。この“静と動”のギャップがたまりません!
MVの内容に至っては、「おいおいこの映像大丈夫か…?」と突っ込まざるを得ない程にエロティシズム全開!
まるでピンク映画の一幕を眺めているような何とも言えない気分になります。家族の前で公開したらヤバイ雰囲気になること間違いなし(笑)。
曲のテーマが男女の共依存ということもあり、カップルらしき二人組が物語の主役。
官能的な雰囲気漂う空間で、目隠しプレイや拘束など、艶めかしいSMチックな絡み合いを披露。
ですが「相手の存在を繋ぎ止めていたい」と言わんばかりの濃厚な絡みには、心の弱さや支配欲の要素が感じ取れ、どこか儚さを覚えました。
「こういう他ではあまり見れないような過激に攻めた音楽性が、ヒステリックパニックの大きい魅力なんだなぁ」と改めて痛感。
映像の見せ方も、妖しく光る赤のライティングに屋内の暗さが相まって、おどろおどろしさがMAX!
こういった工夫で、ヒステリックパニックが持つダークな世界観、愛に貪欲な人物像というのが曲やMV内で見事に表現されている気がします。
ハイスピードで進行していくボーカルに演奏途中に挟み込む強烈なシャウト。そしてサビのハイトーンボイスに、キレが抜群のパワフルなバックサウンドは映像に負けないくらいインパクト絶大!
ラウドロック界隈を突き進んでいく彼らヒステリックパニックの魅力は、この一曲に全て集約されていると言っても過言ではないのでしょうか。