もっと自分を好きになれ
ってくらい人に優しい君へ、
自分のため使う心のこってるの?

僕はダメなの僕のこころ
僕だけのために使うものなの。
こんな僕をなぜ愛しく思えるの、

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

自分が一番大事だった主人公は、ほかの人間もみんな自分と同じ気持ちで生きていると思っています。

しかし、君と出会い、君と付き合ってその優しさに驚いてしまうのです。

君は、自分のことを後回しにしてでも人のために行動を起こし尽くす人で、僕にはなぜ君がそこまでできるのか、理解できなかったのでしょう。

(堪えて こらえて あふれて)
君のまぶたは 僕が
自分のためにいつも
嘘をつくたび ただ涙こぼすの

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

まだ、自分が一番好きな僕は、君が傷つくかもしれなくても、自分を守るために嘘をつきます。

でも、君は人を責めません。嘘を怒ることもしません。嘘を受け入れ、我慢して我慢して、それでも溢れてしまう涙をただこぼすだけ。

君がとても優しい人だからこそ傷ついてしまう切ない歌詞ですね。

RADWIMPS「愛し」の歌詞解釈!野田洋次郎の言葉の意味とは?アルバム情報ありの画像

(生まれて くる前からわかっていた)
神様は知ってた 全てこうなることを
そして君の瞳 大きく作ったの

そこから見ていたの 知ってたの いつでも僕は僕のことを
誰より何より 一番好きなのを

それなのに それなのに 君の言葉は言う こんな僕に
誰より何より 僕が愛しいと言う

君はそれを優しさと 呼ぶことさえ知らずに

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

その大きな君の瞳から僕を見て、きっと自分が一番好きなことを君は知っていたはずなのに、それでも君は「誰よりも愛しい」という言葉をかけます。

傷つけられても泣かされても自分のことが一番好きな僕と一緒にいることは、「愛」なのだろうかと考えます。

君のいつだって誰かのためにあった心はいつでも
どれだけの自分を愛せただろう
僕にいつだって優しくしすぎていた僕はいつも
どれかの「誰かを」愛せただろう

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

主人公の僕は、もし君が僕のように今まで人に使っていた心を自分のために使っていたのなら、ものすごく多くの愛を手に入れられたのではないかと考えます。

逆に、僕も君の様に自分に向けていた愛を君のように使ったら、どれだけ多くの愛を与えられたのかと考えていますね。

君と出会って、僕が変わり始めていることが分かります。

言葉はいつもその人を映したがってた
神様はなぜこんな近くに言葉を作ったの?
心はいつも言葉に隠れ黙ってた
神様はなぜこんな深くに心を作ったの?
心と言葉が重なってたら一つになったら
いくつの君への悲しい嘘が優しい色になってたろう

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

心ではとても大切に思っていたとしても、言葉では突き放した言い方をしてしまうことありませんか。

あとで「なんであんなことを言っちゃったんだろう」って思いますよね。

僕が君についた嘘も、心と言葉がリンクしていたのなら、もっと傷つけずにすんだかもしれないのにと後悔している様子がうかがえます。

RADWIMPS「愛し」の歌詞解釈!野田洋次郎の言葉の意味とは?アルバム情報ありの画像

君の優しさが「愛」だということに気付いた主人公

みんなそう 自分のためだけにいつも「誰か」がいる
じゃあその「誰か」のためにはなんで僕はいないの?

君はそうきっとそう「自分より好きな人がいる」自分が好きなの
今は言えるよ 「自分より好きな君がいる」今の僕が好き

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

少し前に「自分のために使う心残っているの?」と聞いていた答えがここにあります。

君は「自分より好きな人がいる」という状況になることで自分を好きになれる。結果的に自分のために心を使っているのだと気づくのです。

それは、「自分より好きな君」ができたことで気付くことが出来た結論なんですね。

人が人のために流す涙
それこそが愛の存在の証だ

それを教えてくれたのが君だ
君が作った僕の心は
誰がためにそれは僕の為に
今は言えるそれがありのままに
生きてくことだとそれが人なんだと
僕はそれを優しさと呼ぶことはもうしないよ

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

君が僕のことを想って涙を流すように、人が人を想ってその人のために誠心誠意付き合っているのは、そこに「愛」があるからだと理解します。

それに気づくことが出来たなら、「情けは人の為ならず」ということわざと同じように、「誰かのために行動することがいずれ自分のためになる」と思えるようになったと歌います。

そして、「人」とは、誰かのためを思って自分を犠牲にできる生き物だと考え方が変わっていきます。

RADWIMPS「愛し」の歌詞解釈!野田洋次郎の言葉の意味とは?アルバム情報ありの画像

君のいつだってだれかのためにあった心はきっと
そんな自分を愛したのだろう
僕もいつかは愛せるかな 君のようになれるかな
僕はどれだけ誰かを愛せるかな

泣いたね君は泣いたね
心が泣いてと叫ぶまま
僕を嫌いにならないように
そう祈るように
君は愛したね人を愛したね
心が枯れそうになるまで
君の分まで君のため
枯れるまで…

出典: 愛し/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

人を愛するということ。

君のとても大きな愛を知り、僕にもできるようになりたいと願うようになっていますね。ワガママで利己的な主人公が、曲の初めと終わりで急成長を遂げています。

人と出会い、愛するということは、それだけすごいことなんだと実感できる楽曲です。