人生への疑問
誰も聞いてくれない気持ち
誰のために生きているのだろう?
自分のことさえわからなくなった
大人が敷いたレールの上を
ただ黙って行けばいいのか?
出典: 渋谷ブルース/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風
主人公は自分の進むべき道を考えています。
人生にはこのように、自分と向き合わざるを得ない日々もやってきます。
今、彼女は人生の岐路にいるのではないでしょうか。
出口のないトンネルを歩いているよう。
とても不安で心細いのでしょう。
本当にこのままで自分の人生は大丈夫なのだろうか?
いや、むしろ大丈夫すぎてつまらないのではないか?
自分で歩いているようで、本当は誰かに歩かされているだけなのかもしれない。
主人公は、自分が何を望んでいるのかわからない状態なのでしょう。
彼女は今まで歩んできた人生全てに違和感を感じ始めています。
大きな存在
渋谷 渋谷 渋谷だけが
いつも私の話を聞いてくれるから
今日も 今日も 今日もここで
なぜだか泣けて来るんだ
出典: 渋谷ブルース/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風
渋谷は日本で一番若者に愛されている街なのではないでしょうか。
毎日、多くの人々がスクランブル交差点を行き来していますね。
いまや、国際的になり日本人だけでなく外国人観光客も大勢訪れています。
多種多様な人々と価値観がごちゃ混ぜになっている街。
そこが渋谷の最大の魅力だと思います。
主人公はこの街いると心が落ち着くようです。
どうしてかというと、いろいろな人がいるので誰にも干渉されることがないからなのではないでしょうか。
それにどんな人にたいしても開放的な街であるためとても親しみやすいのです。
「そっとして置いてくれるけど、誰でも受け入れてくれる」ところに優しさを感じているのでしょう。
強がりをしてみても
寂しさの予感
交差点の人の流れと
逆に歩いて孤独に気づく
スカートのプリーツがしわしわで
バレてる朝帰り
でも反省なんかしてない
出典: 渋谷ブルース/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風
渋谷から家へ戻るために、駅へ向かう主人公。
疲れてふらふらと歩いていると、ふと自分が大勢の人の流れに逆行していることに気がつきます。
これほど寂しいことはないのではないでしょうか。
誰がみてもわかるくらい、来ている制服にはしわがついています。
痛い他人の視線をはねつけるかのように、主人公は歩いて行きます。
「これは自分が選んでやったことだから、誰にも文句を言われたくない。」という気持ちなのでしょう。
それに親を含め、大人はみんな自分に価値観を押し付けてくる、と思っています。
そんな人たちの言うことなんて聞かなくてもいいのではないか、と主人公は考えいているのではないでしょうか。
ただの制服
何のために学校行くのだろう?
やりたいことなんか見つかってないのに…
自由に動けない制服なんか
どこかのロッカーに預けたい
出典: 渋谷ブルース/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風
主人公は学校へ行く理由も見失っています。
学校は勉強をするところ。
でもなんの為に勉強するのかわからないまま、勉強をさせられるのは苦痛です。
本来なら、まず夢や目標があってそのための手段として勉強があるはず。
なのに、勉強が目的になり競争とランクづけしか残っていない教育なんて嘘なのではないか。
主人公は学校に対して不信感を募らせています。
一人一人の個性を伸ばすのが教育なのではないだろうか?
制服を着ていると学生という枠にはめられて自由に動けないと主人公は思っています。
捨ててしまいたいとまでは思っていませんが、ロッカーに押しこんで封印したい気持ちなのでしょう。
それほど学校生活に窮屈さを感じているのですね。