ASIAN KUNG-FU GENERATION「それでは、また明日」
2012年7月発売のシングル
「それでは、また明日」は、2012年7月にASIAN KUNG-FU GENERATIONの18枚目のシングルとして発売された曲です。
疾走感溢れるサビのストレートな印象や、そこに至るまでのイントロからのテクニカルな展開など、サウンド面で聴き応えのあるロックナンバーとなっています。
オリコン週間チャートでは11位と15作連続でトップ10入りしていた記録が途絶えることになりましたが、映画タイアップなどで大きな注目を集め、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの代表曲のひとつとして今でも人気の曲です。
収録アルバム「ランドマーク」
「それでは、また明日」は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの7枚目のアルバム「ランドマーク」にも収録されています。
前作「マジックディスク」からおよそ2年半後、東日本大震災以降で初のフルアルバムとなった本作は、震災を受けて大きな変化を経験したASIAN KUNG-FU GENERATIONの意思が反映された、強烈なメッセージ性を持つ作品です。
他の収録曲にはシングル「踵で愛を打ち鳴らせ」や、本作のリードトラックにもなった「バイシクルレース」、チャットモンチーの橋本絵莉子とコラボした「All right part2」などが並んでいます。
映画「ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-」主題歌
「NARUTO -ナルト-」の劇場版第9作目
「それでは、また明日」は、アニメ映画「ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-」の主題歌になりました。
「NARUTO -ナルト-」の劇場版第9作目となったこの映画は、漫画原作者の岸本斉史自身がストーリーやキャラクターデザインを手がけた作品として大きな話題になりました。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、岸本斉史から直々に主題歌のオファーを受け、この曲を書き下ろしました。
「遥か彼方」以来のタイアップ
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが「NARUTO -ナルト-」の主題歌としてタイアップするのは、アニメの2番目の主題歌として2003年に「遥か彼方」が起用されたとき以来、実に9年ぶりとなりました。
「遥か彼方」が収録されたミニアルバム「崩壊アンプリファー」でメジャーデビューを果たしたばかりだった当時のASIAN KUNG-FU GENERATIONにとって、このタイアップは大きな飛躍となる一歩でした。
そんな作品とのタイアップでの再会は、彼らにとっても印象深いものだったのではないでしょうか。
ボーカルのゴッチこと後藤正文も、「NARUTO -ナルト-」という作品には特別な思い入れがあると語っています。
「それでは、また明日」の歌詞を紐解く
大きな震災の後に生まれた曲
透明なようです
悲しいさ 凍るほど
聡明だそうです
口出すな もう二度と
亡霊 果ては幽霊
消え失せろ イメージごと
共鳴 求めて
打ち鳴らすような鼓動
出典: http://j-lyric.net/artist/a0006b7/l02974b.html
彼が求めたのは
あの娘が流したのは
君が嘆いたのは
他ならぬ 今日だ
誰かが隠したような
僕らがなくしたような
何事もない日々を取り戻せそうか
それでは、また明日
出典: http://j-lyric.net/artist/a0006b7/l02974b.html
2011年3月11日の東日本大震災以降でASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽に起きた大きな変化は、社会的なメッセージや主張が大きく増したという点です。
メンバー自身も地震や長く続く余震の被害を受け、これまでにない経験をしたことが、彼ら(特にメインソングライターの後藤)に大きな変化をもたらしたのでしょう。
「それでは、また明日」の歌詞にも、そんな彼らの変化が表れています。
多くの人がそれを求めながら消えていった「他ならぬ 今日」。残された人々はその「今日」という辛い現実を迎えて嘆き、打ちひしがれました。「何事もない日々」を失った人も多いでしょう。そんな現実を歌い、その先にある「また明日」を微かな希望として描きます。